October 29, 2011
秋空飛行隊
自宅から外に出ると、秋特有の風の香りがします。気温もぐんと下がり、生き物の気配も少なくなってきました。私としては物足りない季節ですが、害虫の相談は相変わらずちょこちょこと寄せられ、特にこのところカメムシ駆除がホットな話題ではないかと思います。
本日は、そんなカメムシづくしの話題から少し横道に逸れて、この時期に見られる他の昆虫について書いていきます。
あまり問題にならないと思いますが、意外にも蛾の仲間がこの時期にちらほら出現します。写真はオオスカシバというスズメガの仲間。幼虫はクチナシの葉を食害する害虫です。グライダーみたいな流線型ボディが素敵です。
ヒメヤママユという蛾。ヤママユガ科の仲間は大型の種類が多く不気味に見えるのか、小学校では廊下に死体が落ちているだけで男女問わず大パニックです。また、鱗粉に毒があると思われていることもありますが、ヤママユガ科に毒持ちの種類はいないので、そこは大丈夫です。
ホシホウジャクか何か、スズメガ科の蛾です。チョウのように直接花にとまらず、ホバリングしながら吸蜜します。
うまく近づけば逃げられないので、シャッターチャンスは多いです。写真では左翅が大きく湾曲しているのが見え、羽ばたきの力の強さがうかがえます。
真下に潜り込んで撮影。何だか翅の生えたザリガニみたい。
ところで、一説には幕末に日本が開国してからしばらくの間、製糸産業・養蚕産業は日本の重要な産業として位置づけられていたと言われています(特に輸出において)。それらを一身に背負っていたのは他ならぬ蚕であり、こうやって歴史を振り返る時、たかが虫といえど、ただ感謝あるのみです。
前田
しかしそれでも、やはり蛾は不気味だ!そんな時はスーパーガジェットでお引き取り願いましょう!!忌避効果もありますので、特に玄関や窓辺の壁面など、蛾がとまりやすいところに噴霧するのも効果的です。
October 28, 2011
セミナー終わって
セミナーが終わり、ようやく一息つくと気付くのが季節の変化です。頭の中ではお盆明けがつい最近のように感じていたのですが、今週の初めくらいからお風呂上がりにTシャツ一枚、ベランダを開けっぱなしにしていると肌寒く感じます。皆様も体調を崩されないよう、お気をつけてくださいね。
【今日の虫】
昨日、セミナーから帰ると自宅のアパートの入口にいたクビキリギス。何回か本ブログでも紹介していますが、こちらは緑カラーバージョンです。ちなみに本種は成虫で冬を越す種で、その姿を見ると冬の足音が静かに聞こえてくるような気がします。
前田
今日、倉庫で作業中にクロゴキブリの死骸を見つけました(誓って飼育室の脱走個体ではありません)。そろそろ寿命が尽きる個体が多いのではと思います。家屋周辺のゴキブリ対策にエアローチP!!
October 15, 2011
寝相
ほどよく寒くなり、あと2か月もすれば朝の布団から離脱するのも困難な時期になります。今日は少し早いですが、昆虫の冬越しの写真を掲載してみました。
マイマイカブリの成虫。朽木の中で越冬します。もっときれいに撮影しようと無理に引っ張りだそうとして、逆にお尻からアクリル酸ガス噴射のカウンターをくらって以来、冬眠中でもコイツだけはいじらないようにしています。
同じく朽木の中。カマドウマの一種です。不快害虫として扱われることもありますが、特に咬んだり刺したりなど人に危害を加える種類ではありません。
クロスズメバチの越冬。これも朽木の中。スズメバチの仲間は越冬中は翅を腹部の下側(中脚や後脚のあたり)
にしまい込むので、活動状態かどうか見極める際の参考にはなります。
コミスジという蝶の幼虫。落ち葉の中で越冬中です。何となく竜のような姿が印象的。
生き物は、冬眠中は基本的に移動を行うことがないので、冬眠する環境さえ把握しておけば簡単に見つけられますし、撮影も手間がかかりません。また、今年も休みの日は冬の山に出向いてみようと思います。
前田
カメムシの冬眠場所として家屋内が選ばれることもあります。そろそろ対策を講じておきたいところです。洗濯物などが干してあり、あまり薬剤を散布したくないところにはカメムシいやよ〜が有効です!植物精油などの天然成分でカメムシを忌避し、寄せ付けません。ベランダなどにどうぞ
October 13, 2011
ノシメ襲来!
(すみません、画像が掲載されていませんでした。コイツです)
言わずとしれたノシメマダラメイガです。貯蔵食品の大害虫として悪名高い昆虫ですが、それがとうとう私の家にまで上り込んでしました。しかし、我が家には元々大して食料も置かれていないので、おそらくメイガにしたら、とんだアテ外れでしょう。
ところで弊社では今年も秋のレベルアップセミナーを開催中です。その中でもノシメマダラメイガについては弊社菅野の方から発表があります。弊社ホームページからも参加申し込みは受け付けておりまして、席もまだ若干空いております。もし興味がございましたら是非お申込みのほど、よろしくお願いいたします。
前田
October 11, 2011
これからの季節
秋と言えば柿の収穫が私の家では一大イベントになります。今年も手伝いに帰らないとなぁ・・・。
山野草もリンドウなどが花を咲かせ始めます。週末には野山の奥のほうまで足を運んでみようかなと思います。
11月の末にもなると天然のエノキ茸が生えます。市販の白いものとは違い、茶色っぽいです。
キクラゲも11月の下旬に生えますね。あとシイタケなんかもその時期ではないかと思います。
思い切ってキノコ鍋を作ってみたり。学生時代はよくやりました。
見かける虫も少しずつ少なくなってきていますが、その分、普段気にかけていない色んなものに目を向けていければな、と思います。
前田
個人的には、この時期にイラガの幼虫をよく見かけた気がします。刺されないように気をつけてくださいね。気になる毛虫・イモムシにアースガーデンケムシコロリ!付属ノズルで高いところにいる毛虫にも噴霧できます。
October 10, 2011
秋空の下で
今日は比較的ポカポカと暖かい日だったので、半袖で過ごせる1日となりました。こんな日なら生き物もたくさん出てきているだろうなぁ、と思いながら、先月の写真を載せていきます。
どことなく愛嬌のある顔をしたゾウムシ。シロコブゾウムシなどの仲間かと思います。動作はゆっくりのんびり、捕まえようとすると木の枝からコロッと落ちて行方をくらませます。外皮も厚く、このゾウムシ1匹のために標本針を2本折ったこともなったな、と思い出してみたり。
こちらはカナヘビの子供です。トカゲなのに何故名前がヘビなのかと調べてみると、非常に長いしっぽに由来するとか(昔の人は蛇に似ているという印象を受けた模様)。それで、かわいらしいヘビということでカナヘビ。ネーミングが少し凝ったトカゲです。もうすぐ冬眠なので、餌を探し回っているのでしょうか・・・?
クズの葉の上にいたカメムシ。アズキヘリカメムシでしょうか、同定に自信がありません。カメムシなので当然、危険を察知すると嫌な臭いを出しますが、本種のものを試しに嗅いでみると、酢酸のようなすっぱい臭い。くさいとは思いませんが、変な余韻が残る少し微妙な気持ちになります。
これからの季節はカメムシが越冬場所を求めて屋内に侵入してくることがあります。また、洗濯物にくっついていいたのを、それと知らずに潰して悪臭地獄に蹴落とされることもありますので、皆様もどうぞ気をつけてください。
前田
カメムシの侵入を事前にブロック!旅館やコテージなどの広い場所への施工にはカメムシ用キンチョール乳剤!!建物の外壁などカメムシがとまりそうなところへ噴霧してください。便利な噴霧器とのセット販売も行っております。
October 09, 2011
たまにはぼんやりと…
先月実家に帰り、犬と散歩中に撮った1枚。公園の花壇にやってきたアオスジアゲハ。雄だったのでしょうか、このあと新たに現れた他の個体(これも雄か?)を見つけるやいなや飛びかかり、目の前でつんぐれほぐれずの巴戦を繰り広げていました。
庭でぼんやりしているとやってきたヒトスジシマカ。今まさに口吻を突き立てようとしているところです。こういう時、私は蚊がとまってから3、4秒ほど待つことにしています。着地した瞬間に手を振り上げると、勘のいい奴は逃げてしまいますので。意地は悪いですが、これも知恵比べです。
実家から自宅に戻り、川原で見つけたヒガンバナ。私は秋を色で表すならば赤色、と考えてしまうのですが、それはこのヒガンバナや木々の紅葉、赤とんぼなど自然のイメージが刷り込まれているためかもしれません。…と思ったところで、案外アケビや柿の色とリンクしているだけかもしれないとも思うのでした…食い気ばかりですみません。
前田
夕闇迫る秋空を颯爽と駆けてゆく黒いシルエット…最近コウモリをよく見かけます。時として人家をもねぐらとして利用します。コウモリを追い出すにはスーパーコウモリジェット!!強力ジェット噴射で手の届きにくいところにも処理できます。
September 15, 2011
立場いろいろ
よく都会の街路樹の上で「リリリリーーーッ」とせわしく鳴いているのが聞こえますが、それはだいたいこのアオマツムシです。正確には元々日本にいなかった昆虫らしく、1900年代になってからでしょうか、中国のあたりから侵入したようです。
背面から撮影。シルエットはなんだかゴキブリみたいです。そういえば、コオロギもゴキブリも子供の頃は似たような昆虫と思っていましたが、ではゴキブリとコオロギの間に横たわる「触れる・触れない」の壁は一体なんなのでしょうか・・・。
学生時代に大学構内で捕まえたタイワンクツワムシらしき虫。最初は「こんなのがいる訳がない」と疑問視していましたが、最近各地で報告される目撃例、どう見ても普通のクツワムシとは異なる長細い体型、サーベルのように真っ直ぐではなく、日本刀のようにやや湾曲した産卵管・・・念のため標本として残し、大学の標本庫に提供したままです。真相が明らかになるのはいつの日やら。
こちらはただのクツワムシ。秋の虫の中でもトップクラスの歌唱力の持ち主です。地域によっては個体数が少ないらしく、奈良県でもレッドデータブックに希少種として記載されています。
身近に見られる生き物も外来種であったり、希少種であったりと意外なポジションにいるものが多いのでは、と思います。そんな虫たちのステータスや、その背景を探ることも面白いなぁと思います。
前田
September 14, 2011
屋外の狩人
このところ、会社の周りに虫がたくさんいます。おかげで毎日ネタには事欠きません。今日は昨日の晩から下駄箱の上をウロウロしているカマキリについて書いていきます。
長い手足、膨らまない腹部が特徴的なオスの個体。写真を撮らせてもらおうと追いかけ回していたところ、クモの巣に突っ込ませてしまい、そこらじゅう糸クズだらけになっています。意外にもクモの糸が絡まると満足に鎌を動かすこともできないようでした。この齢になってようやく気付いたカマキリの弱点です。
子供の頃はオオカマキリとチョウセンカマキリ(ふつうのカマキリのこと)の区別がつかず、写真のように胸の前脚と前脚との間の色を見て、オレンジ色だったらチョウセンカマキリと教えられていました。
さらにもう一つの見分け方として、後ろ翅の色を見る方法もある、と大学時代に知り、それ以降は後ろ翅もチェックするようにしています。オオカマキリの場合はもう少し根元が黒くなるので、チョウセンカマキリではないかと思います。ふつうは片手で胴体をつかみ、もう片方の手で翅を広げるのですが、撮影のため仕方なく右手1本で無理矢理翅を開かせています。
あまりに無理な姿勢をさせ過ぎたせいか、カマキリさんブチ切れています。撮影後に両手の鎌で思いっきり挟まれ、顎で深々とかじられること約1分。ここまで執拗な反撃を受けたのは初めてです。しかし、私の指の皮までは噛み切れないようです。手首に口吻をザックリ突き刺してきたアブラゼミや人指し指の皮に穴を開けたヒラタクワガタに比べれば可愛らしいものです。
ところでカマキリといえば、俊敏華麗な狩りの名手というイメージがあります。いよいよ9月も半ばになり、今生き残っているカマキリたちは厳しい生存競争をくぐり抜けた猛者揃いです。一生涯をかけて磨き上げた狩りの一手を今年も見せてもらいたいな、と思います。
前田
どうやらカマキリは照明に集まってくる昆虫が目当てのようでした。光に集まる飛翔性昆虫対策にはバンガード!!蛍光灯の外側につけるフィルムで、虫たちの好む紫外線をカットします。万一蛍光灯が落下した際にも飛散防止の役割を果たします。
September 13, 2011
Scramble!
昨日は会社の1階に奇妙な虫が現れました。そうなると例のごとく、虫処理班の出番です。事前に虫とり網装備の指示が出ていましたが、あいにく網は誰かと出てしまっているらしく、素手で対応。現場に駆け付けると天井にはやや大きな黒い影。まさか実験室所属のクロゴキさんではなかろうな、と思いながら近づいてみると・・・。
ぱっと見た感じ、何の仲間かよく分からない甲虫がいました。何となくオサムシの類に見えたので、お尻からガスを出されても大丈夫なように注意しながら身柄を確保。
話は少し横道にそれますが、カタツムリを食べることで有名なマイマイカブリは、危険を感じるとお尻からアクリル酸やら何やらの混じった液体を噴射してきます。これが皮膚につくと焼けつくような痛みがあり、なかなか洒落にならないのです。1度、山の中で昆虫採集中に、左のこめかみにこの毒液噴射を受けたことがありますが、これがまた物凄い刺激というか涙が溢れて止まらず、すぐ傍の沢に顔を突っ込んで洗い落した経験があります。
3階の実験室に移動させられ、調査中の検体。すっかり観念してしまったのか、ピクリとも動きません。同定の結果、ゴミムシダマシの一種でユミアシゴミムシダマシではないかと思いますが、あまり自信がありません。とりあえず、特に悪さをするようなものではないようなので、近くの河原で釈放することに。
夏が終わり、だんだん虫の勢いも衰えていっているなぁと思っていましたが、まだまだ屋内侵入する昆虫に気をつけなければならない時期が続きます。
前田