July 2009

July 03, 2009

ヤスデの季節

アカヤスデ雨が降ると外壁に何やら細長い毛虫のような虫がチョロチョロ
そう,ヤスデです.

ヤスデ類は6月ごろの梅雨の時期から梅雨の終わる時期ごろまで出没頻度がMAXになる虫です
では,普段はいないのかというとそうでもなく,落ち葉の下や朽木の中,石や倒木の下などに住みついて腐植質を食べているのであまり問題になりません.

では,なぜヤスデは外壁やブロック塀などを登るのでしょうか?
それは,『そこに壁があるから』ではなく,単に地面付近では雨が降ると溺死してしまうので
危険回避のために壁などへ登ります
その結果,壁面びっしりヤスデでギョギョギョ,家屋内への侵入,屋根裏を通じて天井からポトリ,っと主に不快感での問題を引き起こします.

ヤスデ脚ヤスデと言えば,ムカデより肢がたくさんあり体は細く,のんびりした虫です.
実際にムカデの場合,各胴節から(体の1節1節から)1対ずつ歩肢が出ているのに対し,ヤスデの場合は各胴節から2対ずつ(第4胴節以降)歩肢が出ているため,特に肢の数が多くなっています.
少ない種で17対以上,多いものではなんと100対を超える種もいます.

このヤスデですが,世界には約8,000種,日本には約250種以上が知られおり,そのうち害虫として問題になるものは数種です.自然界では分解者として土壌改善に一役かっている益虫でもあります.

ヤスデの被害には,見た目の不快感や屋内侵入,まれに水洗便所などの汚泥に大量発生するなどがあります.
その他に防御物質として胴の側面または下面の臭腺から刺激臭のある黄褐色の体液を分泌します.
この分泌液はヨードやキノン,青酸,ベンズアルデヒドなどが含まれており,皮膚に付くとひどい場合は水泡ができる事がありますし,何より臭いです
また,食品へ誤って混入し,気づかずに食べてしまった場合は危険です

ヤスデ対策の方法は,まずヤスデの生息しにくい環境を整えることが先決です.
ヤスデは落ち葉や瓦礫の下など湿気の多い場所を好みますので,そういった環境をまず無くしましょう.
とはいえ,山などが近く環境改善が難しい場合は,侵入されては困る場所の周辺(家屋であれば基礎外周)に粉剤粒剤(液剤よりもよく効く)を帯状に施工します.
落ち葉などの滞積している場所にも粉剤を撒き,内部にも薬剤がいきわたるように攪拌させると良いでしょう.
また,植木鉢や石がある場合は,その下へも施工すると効果的です.
屋内へ侵入してきたものに対しては,エアゾールなどで十分対処できます.殺虫したものは体液を出している可能性があるので素手では触れないように注意し処分して下さい.

 ヤスデ対策の薬剤散布は屋外への施工になりますので,周辺環境への配慮も忘れないで下さいね (川端)



tojiyan at 18:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック