February 2012

February 24, 2012

雪?

今年から本格的にショウジョウバエの大量生産を始めました。

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これが飼育装置の外観。チョウチョ用の飼育ケージを流用。かつてはコムラサキやジャコウアゲハが舞っていたケージも今やショウジョウバエ数百匹のおうちに早変わり。便利な物です。

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中にはバナナで作った繁殖用の培地と大量のショウジョウバエ。最近個体数が減ってきたので、たくさん育つように培地を多くしました。

産卵された培地

すると培地の上にうっすらと白いものが。粉雪が降ったかのようです。カビが生えたのかなぁ…そうなると培地を交換する羽目に。先週換えたばかりなのになぁ。

ショウジョウバエの卵

ところが実はこれ全部、ショウジョウバエの卵だったのです。現在ストックしているショウジョウバエのメンバー数は少なく見積もって100名少し。そいつらが一斉に産卵するとこんなことになるのか!

冬場でも餌と温度が保たれていればこのようにコバエ類の発生をみることがあります。これからは気温が上がってきますので、発生量は少しずつ増えてくるのでは、と思います。シーズン前にモニタリングトラップの粘着シートやランプの点検・補充をされてはいかがでしょうか?交換用捕虫紙・ランプはこちらから


前田




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February 13, 2012

基礎

今日は弊社飼育室に虫メンバーが補充されました。

コクヌストモドキの群れ

これが新たに加わった虫。ラグビー選手のようにスクラムを組んでいます。

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正体はこちら、コクヌストモドキでした。実は去年も若干数が補充されたのですが、私の手ではうまく育たず、今回もまた追加ということに。これは飼い方を何か間違っとるぞ、ということで飼育方法を一から調べ直すことにしました。

その結果、雌がコンスタントに産卵するため次世代を得ることはたやすいのですが、どうも共食いのきらいがあるらしく、特に卵がやられやすいとのこと(※1)。そこで繁殖させるには、最初に成虫だけ10匹ほど飼育容器に入れて産卵させ、そして1週間くらい後に成虫を取り除き、卵だけにするという手順を踏まなければならないそうです。道理で増えないわけだ・・・。

飼育も駆除も虫の細かい生態を理解していなければおぼつかないと頭で分かっていながらも、見事にその手にかかってしまった悔しい一日でした。

(※1 参考文献:原色図鑑 衛生害虫と衣食住の害虫 安富和男・梅谷献二 全国農村教育協会)


前田


モニタリングに有効なフェロモントラップもそれぞれの昆虫の種類に対応したチョイスを!コクヌストモドキにはドームトラップ(コクヌストモドキ用)

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February 10, 2012

潜る

今週のことですが、我らが営業部リーダー、そしてマラソン部部長の西尾さんからプレゼントがありました。

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どうしてもサイズが合わないということでいただいたつなぎ服。作業用として今日早速使わせていただくことに。「これからどこかに潜るのか?」と聞かれることもちらほらあった一日でした。

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ところで潜ることのプロフェッショナルといえば、やはりモグラ。写真は学生時代に撮ったもの。ちょうど2年くらい前の日です。知り合い曰く、ヒミズという小型のモグラではないかとのこと。大きさは手のひらサイズです。

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残念ながら、発見した時にはすでに死んでいましたが、まだ新しいようだったので、手を合わせること少々、そしていそいそとサンプル採取容器に移しました。日頃見ることがあまりない珍品なので、「貴重なデータとして残す、悪いが勘弁してくれ」とモグラにわびつつ動物標本に堪能な先生に渡し、あとはお任せすることに。

見た目は人畜無害そうなモグラですが、時折農地で問題となります。モグラは食虫目(モグラ目)というグループに属し、名前の通りコガネムシの幼虫やミミズなど地中に住む生き物を捕食します。しかし、彼らが地中を進んでいく時に、真上にある植物の根っこを寸断したりすることがあるそうです。私も一度だけ被害を見た事がありますが、その時はモグラの通過により人参が2、3本地上へ押しやられてしまい、根っこがあらわになっていました。

なお、活動は春先から活発になります。モグラクリンで今のうちに手を打っておくのも良いかもしれませんね。


前田



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February 08, 2012

粘着板

たまに床置きトラップを検定していると、まだ生きている虫が入っている時があります。しかし、助けることも出来ませんので、可哀相ですが頭部をピンセットで潰して介錯しています。

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この前はハサミムシが引っ掛かっていました。しかし、今度は体が大きく、上手くやれば剥がせそうです。不快害虫として時折問題になりますが、あんまり詳しくは知らないハサミムシ。そこで、研究用として特別に粘着の海から引っ張り出すことにしました。

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実際に、ネズミの粘着糊が自分の服の袖や靴底、あるいはペットに引っ掛かってしまうこともたまにあります。こういう時は小麦粉などを周囲の粘着面にまぶしながら、ゆっくり剥がす方法、あるいはサラダ油など油を粘着糊にかけて剥がす方法があります。この時は小麦粉をまぶす方法を試してみましたが、10分ほどかけて見事に剥がすことができました(しかし、発見時から既に衰弱が激しく、結局2日後に死亡)。

そしてこの度、ネズミ用粘着板に新しいモデルが登場しました!グルットプロR兇慮綏冏如グルットプロRです。紙質や粘着糊に変更はありませんが、粘着シートの余白(糊の着いていない部分)を切り離せるようになりました。ネズミの粘着をお探しの方は是非一度お試しください(水気の多い環境では耐水性に優れたグルットプロN版をご利用がお勧めです)。


前田

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February 06, 2012

逆さま

虫取り道具のひとつに吸虫管というものがあります。細かい虫を集めるのに重宝するアイテムです。

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これは自作のもの。原理はいたって簡単で、短い方の管(写真右側)から思いっきり息を吸ってやると、もう片方の管(写真真ん中の長い方)がそのまま吸入口となって、掃除機のように虫を吸い込みます。自分の口と接する管は、根元にガーゼなどのフィルタを巻いてありますので、虫が口の中に入ることは無く、虫はそのまま容器の中に回収されます。

…入るはずはない、とはいっても、それは正しく使った場合の話。うっかりやってしまいました、実験室のショウジョウハエを回収しようと思い、管に口をつけ、吸い込んだその瞬間

・・・逆じゃねーか、バカヤロー!!

と自分で自分に罵声を浴びせるのと、容器の中にいたハエが口の中に入るのと、どちらが早かったでしょう、試験用カップの中にペペッと1匹吐きだして事なきを得ました。

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こちらがそのショウジョウバエ。冗談ではありません、もう二度と御免です。

ノミバエ科

しかし、ハエの種類によっては消化器ハエ症の原因となるものもあり、注意が必要です。ノミバエなどがよく原因となるそうですが、これはハエが産卵した食べ物をうっかり食べてしまうと発症することがあるとのこと。幼虫が腸内の粘膜を刺激するらしく、腹痛などの症状を伴います。何かあった時のために消毒や汚物処理の準備があると心強いですよ。

しかし、世界のどこかには人間に寄生するようなタイプのハエもいるのだとか。そんな奴が日本にいなくてよかったと安心する今日この頃です。


前田



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February 02, 2012

凍結防止

今日はこの冬一番寒いと言われる日となりました。…なので極力外に出ないようにして過ごしました。一方、虫たちは屋内で発生する種類を除けば、冬でも外で過ごさざるをえません。種類によって越冬場所も様々ですが、どのステージで過ごすかも色々あります。

kurosuzumemaiaikaburiルリタテハ

左からクロスズメバチ、マイマイカブリ、ルリタテハ。全て成虫の姿で越冬する昆虫です。

マユイラガの幼虫色々クロゴキ

左からイラガ(蛹)、オオムラサキ(幼虫)、クロゴキブリ(幼虫)(弊社川端さんの写真をちよっと拝借)


ところで、越冬の場所やタイミングは種類ごとに違うとはいえ、彼らには共通の脅威が色々とあります。
その中の一つが低温による体液の凍結による死亡で、これを防ぐためか、落ち葉の下や木の樹皮の裏、土の中など様々な場所に逃げ込みます(他には餌の不足、体の乾燥など)。

さらに、血液中にグリセリンやトレハロースといった成分を含ませることで凝固点を下げ、凍結のリスクを軽減しているものもいるのだとか。自動車の不凍液と同じシステムを昆虫も採用しているとは驚きです。まだまだ虫たちには、他にも知られていない超能力が詰まっているのかもしれないな、と思う一瞬です。


前田


寒さを避けて屋内に侵入するネズミにダングローデンG!!毒餌皿が付属したセット販売もあります。



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February 01, 2012

今週に入ってから物凄く寒い日が続きます。散髪をしたせいで頭の周りはさらに寒く感じます。当然虫もほとんど活動しませんので、見れたとしても冬眠中でじっとしている姿が多いと思います。さて、冬眠中といえば個人的には何となく蛹のイメージがあります。そこで今日はハエの蛹の姿を簡単に見ていこうと思います。

ノミバエ蛹

まずはこの物体。後ろから2本出た黒い突起が印象的。弊社で飼育しているゴキブリの水槽にたくさん居候しています。

ノミバエ科

正体はノミバエでした。

ニセケバエ蛹

次は黒い突起が2本ニュッと出ています。水の中にいることと相まって小さな潜水艦のようなフォルムです。

ニセケバエ科

ニセケバエでした。

クロバエさなぎ

今度はこの小豆のようなもの。

東北のクロバエ

クロバエなど大型ハエ類の蛹です。ちなみにハエの羽化の様子は2通りあります。1つはクロバエのように、蛹の頭のあたりで殻が輪切りになったようにパカッと開いて羽化するタイプ。もう1つは蚊やチョウバエなどのように背中のあたりからバリっと裂けて羽化するタイプです。

クロゴキ鞘

最後にもう一度クロバエの蛹を……

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…ではなく、クロゴキブリの卵鞘です。ちなみにクロゴキブリは寒さに強く、一般にこの時期は幼虫や成虫で越冬しています。


冬場は虫の数が少なく、普段同定を担当させていただいている私も割合楽なシーズンですが、逆にこれから気温が上がるとともに採れる虫の数や種類も多くなり苦戦を強いられます。そんな時に役立つのが環境生物研究会から出版されているセミナーテキスト「軽量版 微小飛来性侵入昆虫」です。モニタリングトラップによくかかるコバエ類やその他の昆虫のカラー写真や同定のポイントが記載されています。シーズンが始まる前にもう一度コバエやその他の虫について確認し直しておこうという方にお勧めの一冊です


前田



tojiyan at 21:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)