September 2017

September 30, 2017

蚊に紛らわしいキノコバエ

通勤途中にすれ違う人たちの服装が厚くなってきているように思います。
そして帰宅する時は既に日が落ちて真っ暗で、会社の行き帰りに季節の変化を感じます。
それは捕虫紙に捕獲される虫の種類が少しずつ変化しているという形でも現れています。

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さて、写真は蚊専用捕獲器「BGセンチネル2」の検定作業中のものです。
まだヒトスジシマカが捕獲されていますが、秋になり徐々に個体数が減りつつあります。
その代わりに捕獲され始めたのは黄色っぽいコバエ・・・なんとなくアカイエカに似ています。

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そういう時は翅や触角、足の形に注目してみましょう。
足の基節(足の付け根のところ)が全て密着し、脛節から大きなトゲ状突起が2本出ています。
これはキノコバエ科の一種です。

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仮に蚊の仲間であれば、血を吸うためのストローのような口吻が伸びているはず。
キノコバエ科には無いパーツです。

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そして翅には翅脈(翅の模様のようなもの)に沿って毛が生えています。
これもキノコバエ科には無い特徴です。


他にも色々と同定のポイントはございますが、これらを一つ一つチェックしていきましょう。
特に季節の変わり目は捕虫紙に捕獲される虫の種類も変わっているかもしれませんので要注意です。


前田












コバエ類同定のキーポイントを押さえた一冊です。
微小飛来昆虫の屋内侵入



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September 29, 2017

虫の死骸から湧く虫

お食事中の方は早々にお帰りいただければと思います。

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さて、明け方はすっかり寒くなり、秋の気配が一層濃くなってまいりました。
弊社で飼育していたカブトムシ♀も9月28日という私にとっての最長記録を残して死んでしまいました。
その水槽に今度はサツマゴキブリを移住させようとしたところ、サツマゴキブリも数匹死亡しておりました。

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死骸の表面には肌色の粉が吹いており、そして光に当てるとモゾモゾと動き出しました。
不審に思い顕微鏡で観察すると、多数のコナダニっぽいダニがうごめいていました。

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せっかくなので実験に使おうと思い、他の容器に移そうとしたところ、死骸の傍らで悶えているものが。
肉眼でもはっきりと分かるノミバエの幼虫です。
そういえば最近飼育室にノミバエが多いなぁと思っていたのはこれが原因か。

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ふと、この死骸からどのくらいのノミバエが発生できるのかと思い、死骸を解剖しようとしました。
腹にピンセットを突っ込むと頭の横から押し出されるように幼虫が出てきました。
この時点でもう止めようと思いましたが、腹の一部分だけでも確認しようと意を決し切開。


その切った隙間から2〜3匹、もぞもぞしているのが見えましたので、まぁこんなもんだなと思い作業を終了。
特にクロゴキブリなど大型の害虫は、殺虫した後の死骸処理も大事なのかもしれません。


前田









排水溝などから発生するノミバエ・チョウバエ対策にコバエ用ムース




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September 26, 2017

カメムシの季節

帰宅前の渡り廊下にて。

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オムライスの上に乗っかったグリーンピースみたいに、ところどころ緑色の塊が付いています。

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その正体は予想通りの大きなカメムシでした。

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廊下の壁から始まって扉のガラス面まで行く手を阻むかのように居座っています。
ホームベースみたいな形しやがって、コリジョンルールだコノヤロー!

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これでゲームセットだコノヤロー!と、カメムシ・クモ禁止区域で脅してみる。
なお、本製品は終売になったカメムシ・クモスプレー(400ミリ)の後継品でございます。
カメムシに直接噴霧して駆除するほか、侵入防止の目的で窓枠の周りなどに散布してもよいでしょう。


前田



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September 22, 2017

靴の中からネズミ

会社の周りに田んぼや草むらがちょこちょこありますので、野ネズミやらが居てもおかしくはないのですが・・・。

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某日、現場に出かけようとした私の作業靴の中に野ネズミではなくハツカネズミらしきものが。
小さい頃はサンタさんが長靴の中にプレゼントを入れてくれると聞きましたが、これまた珍妙な贈り物です。
たまたま屋外にいた個体が偶然玄関から侵入できたようで、それが私の靴の中で死んだ。
宝くじレベルの確率です。

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かなり状態がいいので死後数日と経ってないでしょう。
気づくのがもう少し早ければ生け捕りにして生態の観察ができたのに、と思うと大いに悔しいものがあります。
なお、これからは気温が低下し、寒さを嫌うネズミの屋内侵入が増えてきますので注意が必要です。


前田









ネズミが通るかもしれないという場所へ設置しておきましょう。
ネズミ用粘着板グルットプロR3



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September 20, 2017

無理矢理マスター・アリの同定方法

ここ2週間ほどキイロシリアゲアリの女王(羽アリ)が同定依頼の検体としてよく届きます。
去年までは一目でそれと分かったため回答までは早かったのですが、今年はそうもいきません。
なぜなら本種の羽アリがヒアリのソレと良く似ているため、より慎重に同定をする必要があるためです。

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触角の先端が2節膨らんで見える、胸部後方にトゲが無いなどヒアリにもよく似ています。
腹柄も2節ありますのでますます混乱しますが、腹柄の接続位置に注目して見抜きます。
お尻の先を頭上に振り上げることができるシリアゲアリ類は腹柄が腹部の上側に接続されます。

図1




















ちなみにヒアリの女王アリは、真横から見ると腹部の中央に腹部と腹柄の接続部があります。

図3




















これがキイロシリアゲアリ女王の場合、真横から見て腹部の中心を外れ、やや上側に腹柄が接続されます。

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これを少し身近なもので例えてみましょう。
ティッシュペーパーの箱をアリの腹部、私の指を腹柄と考えて下さい。
真横から見て腹柄が腹部の真ん中に接続されているのがヒアリです。

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指もとい腹柄が、ティッシュペーパーもとい腹部の上側に接続されるとキイロシリアゲアリです。

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真上からみたら、ヒアリは多分こんな風になります。

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キイロシリアゲアリは、真上から見ると腹柄(指)が腹部の上に乗っかって見えます。

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腹部を正面から見れるとしたら、ヒアリはこんな感じ。

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キイロシリアゲアリは上から吊るすようなイメージ。


何か怒られそうな覚え方ですが、何となく想像がついたという方がおられましたら幸いです。


前田










ヒアリにもお使いいただけます。インパスSC


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September 19, 2017

網の目を抜ける昆虫

台風が去った後の弊社事務所。

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ところどころ晴れ間が見えます。

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ふと網戸に目を遣ると、カメムシ系ともコバエ類とも分からない虫の姿が。
(正体を確かめようとしましたが、逃げられました)
こうやって、いとも簡単に網戸をすり抜けて侵入するものもいますので要注意です。


前田









工場などで虫の侵入状況を把握するのに使います。ライトトラップムシポンMPX2000



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September 18, 2017

事務所で捕れる昆虫たち

先日、1年ほど事務所に設置されていた捕虫器が交換となりました。
その際、捕虫紙をもらいましたので、どんな虫が捕れていたのか、簡単に確認してみました。

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他の仕事もあるので、いちいち数えてはいませんが、まず目を引いたのがユスリカ。

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消えかかっていて見えにくいですが、真ん中に写っているのはタマバエ。

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そこまで数は多くなかったように思うチョウバエ科。

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ほどほどに捕獲されていたノミバエ科。

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2〜3匹しかいなかったと思うショウジョウバエ科。

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どれも状態がきれいだったクロバネクノコバエ科。
夏頃にたくさん発生していたのでしょうか?

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なぜかどれもこれも他の虫と並んで捕獲されていたヌカカ(左上)。

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ヒトスジシマカも2匹捕獲されていました。

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会社の近くに大きな側溝とも三面張りの川ともいえないものが流れているせいか、トビケラが非常に多いです。

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1匹だけいたシバンムシ。
どこから発生したのでしょうか?

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模様がなんとなくノシメマダラメイガに似ていますが、たぶん屋外性の蛾類。

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そして羽アリ。

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今回の「謎の捕獲」枠。
バッタの仲間がなぜか侵入しており、そしてどういう訳か捕獲されていました。
なんでそんなややこしいところで死ぬんや、君。

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どうしても犠牲者が出てしまうクモの仲間。
こればっかりは仕方ありません。


皆様も一度、勤務先にどんな虫がいるのか調べてみてはいかがでしょうか?


前田







モニタリング調査などに活躍するライトトラップはこちら


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September 15, 2017

カップルを作ってください・キイロシリアゲアリ編

先日からキイロシリアゲアリの羽アリが大量に飛んでいます。
こりゃ実験用にえぇわい、と片っ端から捕獲し、生きたまま保存するため冷蔵庫へ送り込みました。

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さて、採集が終わり何匹かピックアップして並べてみると・・・女王アリの他にサイズの違う雄アリが2種類?
なんじゃこりゃ!?
この2種類のうち、どちらががキイロシリアゲアリの雄アリなのでしょうけれど、果たしてどっち?

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そこで、今日の問題は正しい雄アリと女王アリの組み合わせを選べ、なのです。
まずは女王アリを基準にして、体の特徴をおさえていきましょう。
シリアゲアリの仲間であることを生かし、腹柄の数と腹柄の接続位置に着目します。
節の数は2つ、また腹部を頭上に振り上げることができるよう、腹柄は腹部の上側に接続されます。

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次に雄アリの特徴を調べてみましょう。
この小さい方の雄アリは分かりにくいですが腹柄が2つで接続位置も腹部の上側です。
今のところ、こちらが正解っぽいですね。

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ではこちらの羽アリはどうでしょうか?
腹部に注目してみましょう。

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腹柄は1節だけで、接続される位置も腹部を横から見て中央です。
つまり、こっちがはずれでした。
自信はありませんが、何となくオオハリアリの雄ではないかと思います。

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ということで、この組み合わせが正解です。
大人と子供くらいのサイズの違いがありますが、昆虫の世界ではこんな身長差のカップルも珍しくありません。

図1
















そんな話をした後に何ですが、これらの羽アリを用いて行った試験結果をご紹介します。
窓ガラス用殺虫剤PGガードを噴霧したガラス板に1時間接触させた時の殺虫効力がこちら。
だいたい20分くらいから中毒を起こしてひっくり返るものが出始め、1時間もあればばっちり効果が出ます。
もちろん、他の種類の羽アリやコバエ類といった飛翔昆虫にも効果抜群です。
窓ガラスにつく虫でお困りの方はぜひ一度お試しください。


前田



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September 14, 2017

高槻市のショウリョウバッタモドキ

某日、実験のためのサンプル集めに行ってまいりました。

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サンプル集めと言っても、虫取り網を担いでトコトコ歩き、会社近くの公園や原っぱで虫取りをするだけ。
昆虫学を専攻した者にとって最高の待遇です。

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また、社内のメンバーが誰も居ないのをいいことに、採集活動がしばしば横道に逸れることも。
久しぶりに大物をゲットしましたが、この手の種類は誤同定をやらかしたトラウマから自信がありません。
詳しい図鑑は会社にありますが、忙しくて調べる時間が無いと言い訳して、そっと釈放してやりました。
私の掌を蹴って跳び、ゆうに10メートルは行ったでしょうか、見事なジャンプが網膜に焼き付いて離れません。

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その帰り道、今度はエノキの木の上。

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なんか一ヶ所だけ葉っぱの色が違う・・・。

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ハラビロカマキリでした。

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さて、そうして1時間ほど採集活動に励んだのですが、まだちょっと数が足りません。
という訳で会社にライトトラップを一晩設置し、強引に誘引・捕獲することに。
今回は捕虫紙を外した状態のジーナススペクトラコンパクトPro644を光源として使用しました。

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そしてその翌朝、期待した虫が来ているか確認したところ・・・予期せぬシルエットを確認。
なんと思わず奇声を上げそうになったショウリョウバッタモドキでした。
環境の好みにうるさい種類ですが、こんなところで捕獲されるとは驚き。


これはサンプル集めと称して、もう少し生息調査に出かけてみるしかないようです。


前田



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September 13, 2017

蚊専用捕獲器「BGセンチネル2」の実力

お昼に空を見上げると、白い雲を背景に無数の黒点となって浮かびあがるのはトンボの群れ。
そして夜帰宅すると、自室の白い壁に浮かぶのは飛蚊症ではなくヒトスジシマカの姿。
そんな蚊を次々と捕獲してくれる「BGセンチネル2」の試験データがまとまりましたのでご紹介します。

なお、BGセンチネル2の概要については過去の記事をご覧いただければと思います。
(新商品・蚊専用の捕獲器 http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-02-21.html

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試験は関東地方にある公園の一角をお借りし、4月末から1ヶ月に2回の頻度で実施中です。
稼働時間は一晩だけ、そして翌朝に捕獲された虫たちを足立さんが回収し、後日私が検定するという流れ。
前田の検定、略して「まえけん」と足立さんにおだてられながら激励いただき、今日も顕微鏡机に座ります。

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さて、そうして進められた試験の結果、今のところ非常にたくさん捕れているのがこちらのヒトスジシマカ。
特に7〜8月は雨が降らない限り、一晩で200匹以上を捕獲するという驚異的な実力を見せつけました。
これを電源につないで1ヶ月回すとどうなるのか、きっと検定をする私の目が回るほど捕れるでしょう。

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そしてイエカの仲間もよく捕獲され、初夏は一晩で50匹以上という日もありました。
ヒトスジシマカより少ない印象を受けますが、これは両者で生息環境が異なるためだと思います。
イエカが多い現場であれば、絶大な効果を発揮してくれるはずです。

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なお、これからの季節はもう蚊がいないので、設置しても無意味ではという声もあるかと思います。
そんな時に思い出していただきたいのが地下ピットなどから発生するチカイエカです。
冬も活動し吸血被害をもたらす厄介な相手ですので、BGセンチネル2で一網打尽にしてあげましょう。

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ところで蚊専用の捕獲器を謳いながら、他にも様々な飛翔性昆虫が捕獲されます。
そう多くはありませんが、「お前は蚊じゃないだろ!」と言いたくなるユスリカも見つかります。

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飛翔力が弱くファンの吸引から逃れられなかったのか、時にはタマバエ科の姿もあります。

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また、同じ吸血性の昆虫であるためか、ヌカカ科も少数が捕獲されます。

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種類によっては体色が薄茶色で、アカイエカの死骸に混ざっていると間違いそうになるキノコバエ科。
翅に毛が無い、脚部の付け根(基節)が全て密着しているなどの差異がありますが、注意が必要です。

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他にはコマユバチかヒメバチかよく分かりませんが、小型のハチが出てくることもあります。

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小さい蛾の仲間も多くはありませんが、毎回必ず1匹は捕れているイメージがあります。
なお、個人的にメイガを誘引するフェロモンを中に入れて稼働させるとどうなるか?と考えることがあります。
もちろん捕れるのは雄ばっかりですが、現場によってはちょっと面白いことになりそうです。

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余談ですが、こいつは吸い込まれないだろう、というサイズの蛾が入っていて首をひねることもあります。

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さらに強引に蛾のつながりでいくと、チョウバエ(moth fly)が捕れることもあります。
ただ、これまで見た中では少数派です。

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なお、このBGセンチネル2にはオプションパーツが用意されており、LED灯を増設することもできます。
そうなると写真のようなゴミムシ類やコガネムシの仲間まで捕まるようになります。

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そして現在検証中のオプションに、遠隔で蚊や大きい虫、小さい虫の捕獲数を把握できるものがございます。
(本年度のペストロジー大会にて石川博士から発表を予定しております)
その大きな虫センサーに引っかかったのがこのカネタタキ、鐘ではなくセンサーのスイッチを叩いてくれました。
今後もどんな虫が捕獲されるのか、楽しみではあります。


前田



第33回日本ペストロジー学会大会の詳細についてはこちらhttp://www.pestology.jp/index.html









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