復元:前編光の射す方へ

October 31, 2011

復元:後編

昨日から2日続けてのネタとなりますが、クロアゲハの亡骸の軟化が終わり、いよいよ本日、整形に入ります。

IMG_0785

蒸気にさらされ、翅の付け根や肢が柔らかくなっています。

IMG_0786

慎重に背中へ標本針を刺して、展翅板にセット!

IMG_0787

翅は開かせてもすぐに閉じてしまうので、まずは展翅テープを用いて翅を開いた状態に固定します。

IMG_0788

あとは標本を真上から見ながら全体のバランスを整えていきます。具体的には左右の翅の高さや突起の位置が左右対称になるようピンセットや柄付き針で調節する作業です。チョウの場合、翅の模様が種を同定する際のポイントになるため、標本としては、その模様さえはっきり見れれば十分です。ただ個人的には、標本は綺麗に仕上げてやるのが礼儀ということで、何度もやり直し・仕切り直しを経て完成させます。


そしてこのまま2週間ほど乾燥させ、翅や肢、全身の筋肉が再び硬化すればオッケーです。あとは標本の大害虫カツオブシムシ類の襲撃に注意しつつ、完成の時を待ちます。たかが虫1匹の死も、こうして亡骸を整形し、採取した日付と場所を記入しておくだけで、その種が確かにその時代、その土地にいたことを証明する立派な標本として生き返らせることが可能なのです。


前田


お部屋の片隅に隠れているカツオブシムシやシバンムシにはバルサンいや〜な虫が効果的です。人やペットなど哺乳類への安全性が高い成分が使用されており、効果は使用したその日1日です。残効性が必要な場合は液体殺虫剤サイベーレ0.5SCがお勧めです。




tojiyan at 23:58│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
復元:前編光の射す方へ