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April 08, 2019

クロバネ?タマバエ?どっち?

春といえば、そうハエの季節ですね。
ちなみに夏も秋も冬もハエの季節です。

先日オフィスの窓際にてコバエを見つけました。
体長2.5mmほど。

P4040014
みなさん、何バエかお分かりでしょうか。インスタばえ?
多分アレだろうなとは思うけれど、ちゃんと見てみましょう。

P4040025
顔です。触角は数珠状ですね。頭はボールのように丸く、ほとんどが複眼で覆われています。
いったいどんな世界が見えていたのでしょう。


P4040021
翅脈観察。薄くてわかりにくいので、、

wing

お絵かきしました。脈の観察はハエを同定する上で避けては通れないもの。
逆に言えば、(科レベルなら)翅があればだいたいわかる!(強気)
翅脈には名前が付いていて、一番外側はC脈、次いでR脈、M脈・・・という呼び名です。
ちょっと前の資料では肘脈とか臀脈・・・なんて呼ばれ方もあります。
上の図ですが、なんとなくで名前をつけているので当てにしないでください。。
(一応、有名な書籍である”Manual of Nearactic Diptera”を参考にしています。)
ここまでやるのは余程のマニアなので、あくまでも参考程度に。

この翅脈を見ると、M1とM2が”Yの字”になっています。
ここがYなら、、「クロバネキノコバエ!
と条件反射で思ってしまいがちですが、
クロバネキノコバエの翅脈はこちら
IMGP9759

IMGP9765
どこが違うねん、と言われそうですが、

kurobane-wing

青のY字はタマバエにもありました。
一方で黄色のH字も特徴的です。
クロバネキノコバエはこのH字の下、赤いラインで示した部分がキレイに一直線になっているという
特徴があります。

tamabae-wing
今回のハエのH字、見事にひしゃげています。言われないとわからないようなH字ですね。
このハエはクロバネキノコバエではなく、「タマバエ」という結論になりました。


300px-Cecidomyiinae_wing_veins.svg
参考に、別のタマバエの翅脈です。
タマバエにはM脈(Y字のやつ)のあるタイプと無いタイプがあり、無いタイプの方がザ・タマバエ
という感じでわかりやすいです。
300px-Lestremiini_wing_veins.svg
これもタマバエ。M脈あるタイプです。
この翅からはクロバネキノコバエで見た”H字”がわかりません。
脈をたどればちゃんとあるのですが、ひしゃげてしまっています。

専門用語マシマシになってしまいましたが、とにかくY字があっても油断するべからず。
ちゃんとH字もあるか観察しよう!という結論です。

もちろん他にも
- 単眼があるか:ザ・タマバエ翅脈は単眼ない。M脈あるタマバエ翅脈には単眼有る
- 足先の節の長さはどうか
- 脚のトゲがあるか
といった情報を組み合わせて同定する必要があります。


M脈の無いザ・タマバエは植物体に虫こぶを作って寄生生活をします。
一方M脈のあるクロバネキノコバエ似のタマバエは、幼虫が土中の菌類や腐敗植物質を食べます。
生態までクロバネキノコバエに似ているのですね。
(”屋内害虫の同定法 (2)双翅目の科の検索表” 田中2000より)←めちゃ役に立ちます。
グーグルで調べるとダウンロードできますので、ぜひ。


川竹

tojiyan at 08:45│Comments(0) 同定知識 

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