ベーカリーセムコと大雨と素数大富豪珍獣を尋ねて

August 01, 2019

たまにはアカデミックでもしません蚊?

この時期水路や排水桝から蚊やコバエが大量に発生してきます。

プロも御用達の便利な薬剤が「スミラブ粒剤」



液剤のように希釈する必要もなく、そのままの状態で水源にバラバラと撒けばOKです。
本製品の有効成分はピリプロキシフェンという昆虫成長制御剤です。
昆虫成長制御剤(IGR)は昆虫の脱皮作用を阻害することで、成長を妨げて駆除する仕組みです。
ヒトをはじめ哺乳動物は昆虫のような脱皮をしないので、非常に安全な薬剤として注目&運用されています。


たまにはアカデミックな内容にと思い、ひとつ論文をご紹介致します。

”Mosquitocidal Chips Containing the Insect Growth Regulator Pyriproxyfen
for Control of Aedes aegypti (Diptera: Culicidae)” Stevens et al. 2019
ネッタイシマカという蚊の幼虫に対して、スミラブと同じピリプロキシフェンを用いた実験です。

■ 水量の影響
図のように、水量を4パターン用意して、中のボウフラ10頭の死亡率をみた実験です。
想定通り、250mlの水量で最も早くボウフラを駆除できました。

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■ 容器の材質
おおよそセラミック>粘土>プラスチック・ガラス・木>金属の順番でボウフラが早く死亡しました。
セラミックや粘土はピリプロキシフェンを吸着できるのでは?と考察していますが、どうなんでしょう。

■ 有機物量

葉っぱの溶出物を0%、10%、30%、...、90%と、様々な濃度で水に混合した状態で
ボウフラの死亡率を調査。予想では不純物が多くなるほど死亡率はあがると思われますが、
今回の試験では濃度による顕著な違いは見られませんでした。
とはいえ0%と10%は他よりもボウフラの死ぬタイミングが早かったです。

ピリプロキシフェンは有機物に強く吸着する化合物のため、池など有機物が多い水場よりも
人家の周りにある人工物にたまった水に投与するほうが一般的に効果を発揮するようになっている。
と述べています。

■ 産卵選好と幼虫の羽化率 
下図のように、カップ4つのうち薬剤が投入されたカップが0、1、2、3、4それぞれ用意されています
カップには蚊のメス成虫が卵を生むことが出来ます。
予想として薬剤が投入されたカップへの産卵は避けるだろうと考えられますが、今回の試験では
特に薬剤カップを避ける結果にはなりませんでした。

また、(当然ながら?)卵から生まれてそのまま羽化した個体は薬剤カップが多くなるほど
少なくなりました。

これは今居る虫の対処だけでなく、予防の面でも薬剤が使えるということを示唆しています。
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つまり、
スミラブを投入して効果のあるのは

水量の少ない水場
流れのある場所では効果が続きません
有機物の少ない水場
場合によっては泥かきなどが必要かもしれません

また、スミラブは対処だけでなく予防にも使えそう。と考えられます。

水がどういう状態なのか観察してから薬剤を投入すると、
薬剤がより効果を発揮できるということですね!
(用法用量を正しくお守りくださいませ)


川竹

tojiyan at 16:31│Comments(0) 商品(その他ムシ) 

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