同定知識

September 19, 2018

ヒアリじゃないアリ

久しぶりの登板となります、前田です。
レギュラーの座は既に川竹君・伊藤君へ譲っておりますが、今後もたまに守備固め程度に出てきます。

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ところで今回の話題はこちら、秋の風物詩とも言えるキイロシリアゲアリの羽アリです。
世間的には数年前まで「灯りの下や窓周りの壁にたくさん飛んで来る変な虫」程度の認識でした。
それが最近では「ヒアリじゃないの?」という不安を煽る存在に変わりつつあります。
そこで今回はヒアリ・キイロシリアゲアリの(女王アリ同士の)簡単な見抜き方についてご紹介します。


【見るべきところ】
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専門的に見れば色々とチェックすべきポイントがありますが、今回は簡易に同定できる部分に絞り込みます。
そしてその注目すべきところとは腹柄と呼ばれる胸部と腹部をつなぐパーツです。
上に掲載したキイロシリアゲアリ羽アリ(女王)の写真では青丸部ですが、ここを見ながら進めていきます。

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これはキイロシリアゲアリを真上から撮影した写真で、青い矢印で示しているのは腹柄と腹部の繋ぎ目です。
ご覧の通り上から見ると腹柄が腹部の上に乗っかっているように見えます。

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それを今度は横から見ると、こんな感じになります。
このように「腹柄と腹部の繋ぎ目」は腹部の真ん中ではなく、かなり上側に来ています。
写真に補助線を引いておりますが、「胸部と腹柄の繋ぎ目」から見ても上側へと外れます。

図2



















参考にヒアリの写真を掲載しますが、ヒアリの場合は腹部の真ん中あたりに繋ぎ目がきます。
キイロシリアゲアリのようにかなり上の方にくることがありません。
このように(羽アリが)手早くヒアリかキイロシリアゲアリか判断したい場合は腹柄の位置を見るのも手です。

【余談:繋ぎ目が上側にあるために出来る芸当】
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上の写真は私のピンセットに反撃を試みる女王アリですが、ご覧のように腹部がかなり曲がります。
極端な言い方をすると腹柄が腹部を上から掴みあげている感じなので、上へ振り上げることができるのです。
なんかサソリのようで凶悪な印象を受けますが、よほどいじめない限り刺されるなどの被害は無いと思います。

【余談:セミナーの御案内】
ところでヒアリと言えば「殺人アリ」との見出しで連日報道されていた時期が懐かしいです。
そして他にもアルゼンチンアリ、セアカゴケグモなど忘れ去られそうになっている外来生物は数知れず。
加えてヒトスジシマカが媒介するデング熱の話など、「今は果たしてどうなった?」という案件も多いです。

そこで今回は関東エリアセミナーにて、外来生物のお話も含めたセミナーを開催します。
埼玉県での開催となり日にちも9月21日と迫って来ておりますが、まだ参加申込みを受け付けております。
当日の飛び込み参加も大歓迎ですので、興味があれば是非お越しいただければと思います。

環境機器(株)主催 関東エリアセミナー(埼玉会場)



【余談:過去の記事】
過去にもキイロシリアゲアリに関する記事も掲載しております。
なんか適当過ぎて怒られそうなヒアリとの区別方法を記載した記事もありますが、よろしければご覧ください。

・カップルを作ってください・キイロシリアゲアリ編
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-09-15.html
・針のついた羽アリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-09-09.html
・秋の黄色いアリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2016-09-14.html
・キイロシリアゲアリの羽アリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2015-09-10.html
・刺すアリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2013-09.html

前田


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August 20, 2018

さなぎのなかみ

ノミバエ製造工場が勝手にできあがり、資料や実験に役立っています。
今日もたくさんの蛹が捕れました。


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こちらがノミバエの蛹。ツノが1対あるのが特徴的で、簡単に判別できると思います。


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横からみた図。左側が接着面で、壁などにくっついて蛹になります。
すでに羽化直前の様子で、上に目が、その下に脚らしきシルエットがみえます。

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蛹をピンセットでつまんだところ、節に沿った割れ目が簡単に入ってしまいました。
ノミバエくんごめんね!と思いながら、ついでに解剖開始。
針で殻を取り除く際、ツノのある節が縦に割れました。
ツノが生えているのは肩あたりでしょうか。

イエバエなどは額嚢(がくのう)と呼ばれるフクロを額から膨らませて蛹の殻を破ります。
一方ノミバエは額嚢が無い比較的原始的なハエであり、額嚢を使わない分
殻が非常に破れやすい構造になっていると考えられます。


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全部出てもらいました。もうほぼほぼノミバエです。
翅はまだ小さくしぼんでいます。羽化後に体液を通すことで、翅を広げます。
特徴的な後脚もコンパクトに畳まれていますね。

タイミングが合えば羽化動画を撮りたいと思っています。はたして成功なるか!


成虫も幼虫も駆除できるのでおすすめの逸品「ファーストキルN


川竹

tojiyan at 18:12|PermalinkComments(0)

August 02, 2018

めざせコバエマスター!

前回ノミバエが大量発生!という記事を書きましたが、もう一つワンサカ湧き出している虫が居ます。

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うーん、黒いハエ!(同定終了)


・・・では開発部の名が泣いてしまいます。
皆さんは何のハエかわかりますか?
■触角
太い棍棒状(もうこれだけで分かりますが)

■翅
翅脈はよく見えないけれど、上端に黒い筋が目立つぞ

■体
ノミのように縦に扁平
(脱線)扁平な虫は寄生生活をするのが多いという噂が。はたして。

■脚部
特別長くない、目立った節は見られない

などなど、虫の同定には様々な形態的な特長を照らし合わせる必要があります。
ツノが生えてるからカブトムシ!のように単純に言えたらどれだけ楽なことか。
写真の虫は「ニセケバエ科の一種」になります。
PCOとしては是非とも知っておきたいベーシックなコバエですね。

実はこのニセケバエ、皆知っているある場所から大量発生したものなのです。
僕自身とてもビックリしたある場所とは・・・??
8月の基礎セミナー「コバエ類の同定」で発表いたします!
無料セミナーですので、是非ご参加ください!受付はこちら


さて、虫を覚えるときにオススメなのが、お絵かき。
手を動かして、イメージで覚えて脳に虫のシルエットを焼き付けましょう!

180802ニセケバエスケッチ
こんな感じ?細かな特長も、お絵かきで意外と覚えることができます。
コバエマスターになって一目置かれる存在になりましょう!
(はまりすぎると距離を置かれる存在になっちゃう^ヮ^)

川竹

tojiyan at 15:40|PermalinkComments(0)

May 01, 2018

騙し騙されガガンボ

連休は実家の名古屋に帰省してのんびりしていました。
虫屋さんなので「キセイ」って打つと「寄生」が一番に出ます。


さて、「こんな虫がいたよー」と教えてもらった下の子。みなさん何の虫かわかりますか?
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まず翅が2枚、平均棍(翅の下側にある、先端が膨らんだ小さな棒)が2本なので、ハエ(双翅目)の仲間です。
双翅目は触角の節がたくさんあるか、少ないかでグループが分かれるのですが、いわゆるハエっぽいか、蚊っぽいかの違いです。この子は糸状の触角なので長角亜目(蚊っぽいグループ)です。
あとは翅の脈に中室があったり、異様に脚が長かったりする点などなど・・から
ガガンボ科
です。
ガガンボは大きく目立つ種も多く、この写真の子は脚を伸ばすと手のひらサイズ以上になります。
時に「吸血するのでは!?」と恐れられたりしますが、血は吸いません。
何も食べないか、水や花の蜜をエサにしているようです。

ヒトへの被害はほぼありませんが、強いて言えば体が非常に脆いために折れた足先などが異物として製品に混入してしまう危険性があげられます。
ガガンボの標本づくりは難しく、慎重に作っていてもすぐに脚がポロポロと取れてしまいます。脚が長いので標本箱のスペースも取りますし、あまり気乗りのしない虫です。

現場レベルでは足の長い蚊っぽい虫を見たら「ガガンボですね」でおわりですが、ガガンボっぽい虫には実は様々な「科」が含まれるので、安易に「ガガンボ科」と言えないのがコワイところ。
僕も詳しくないので割愛しまくりますが、冬場によく見られる「ガガンボダマシ科」を紹介します。

ガガンボダマシ

捕虫紙に捕まったガガンボダマシ。見た目はTHEガガンボですね。

ガガンボダマシ翅
前翅を拡大。翅の脈は虫の分類を知るための情報が詰まっています。
ガガンボダマシとガガンボを分けるのは、赤い矢印の脈「臀脈でんみゃく」です。
脈にもそれぞれ名前が付いているのです!ひええ
この脈が写真のように折れ曲がっていたらガガンボダマシ、まっすぐ伸びるようであればガガンボ!
…と思っていただければ大丈夫です。

ちなみに「ガガンボモドキ」という虫も存在するので、たまにごっちゃになる時があります。
ガガンボモドキはハエではなくシリアゲムシの仲間。
遺伝的に遠い虫が同じ様な形になるのはとても興味深いですね!

今日から使える虫トリビア、飲み会の席などでぜひご披露ください。
(何言ってんだこいつ、という目で見られます)

川竹

tojiyan at 12:09|PermalinkComments(0)

October 29, 2017

リバーシブル

豪雨の休日の中、粛々と進められる捕虫紙検定。

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翅を見ればどう考えてもチョウバエ。
でも脚が妙に長い・・・。

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捕虫紙を裏返すとノミバエ。
ノミバエとチョウバエが捕虫紙上でクロスプレーしてるだけでした。


ムシポンの捕虫紙は半透明なので、慣れれば裏側にいる虫も捕虫紙をひっくり返さずに同定できます。
しかし、捕獲数が特に多い場合は片面だけでなく裏面も念のため確認しておきましょう。


前田










虫をおびき寄せる上で大切な役目を果たすランプの交換時期も確認しておきましょう。
ムシポンの交換用ランプはこちら


tojiyan at 12:57|PermalinkComments(0)

October 14, 2017

惰性に任せてはいけない検定業務

シバンムシばかりが捕獲されている捕虫紙が届きました。

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カウンターをカチカチ鳴らしながら数を集計するだけの簡単な作業です。

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しかし、油断は禁物。

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こっそり捕獲されている、そっくりさんに注意が必要です。
色もサイズも紛らわしいカメムシが2〜3匹一緒に捕獲されていました。
似たような検体が並ぶ状況では、体形や手足の長さの違いを意識しておくのも手堅いと思います。


前田








タバコシバンムシばっかり捕獲されます。ドームトラップ(タバコシバンムシ用)
ジンサンシバンムシを捕獲したい場合はハイレシス(ジンサンシバンムシ用)


tojiyan at 07:00|PermalinkComments(0)

September 30, 2017

蚊に紛らわしいキノコバエ

通勤途中にすれ違う人たちの服装が厚くなってきているように思います。
そして帰宅する時は既に日が落ちて真っ暗で、会社の行き帰りに季節の変化を感じます。
それは捕虫紙に捕獲される虫の種類が少しずつ変化しているという形でも現れています。

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さて、写真は蚊専用捕獲器「BGセンチネル2」の検定作業中のものです。
まだヒトスジシマカが捕獲されていますが、秋になり徐々に個体数が減りつつあります。
その代わりに捕獲され始めたのは黄色っぽいコバエ・・・なんとなくアカイエカに似ています。

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そういう時は翅や触角、足の形に注目してみましょう。
足の基節(足の付け根のところ)が全て密着し、脛節から大きなトゲ状突起が2本出ています。
これはキノコバエ科の一種です。

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仮に蚊の仲間であれば、血を吸うためのストローのような口吻が伸びているはず。
キノコバエ科には無いパーツです。

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そして翅には翅脈(翅の模様のようなもの)に沿って毛が生えています。
これもキノコバエ科には無い特徴です。


他にも色々と同定のポイントはございますが、これらを一つ一つチェックしていきましょう。
特に季節の変わり目は捕虫紙に捕獲される虫の種類も変わっているかもしれませんので要注意です。


前田












コバエ類同定のキーポイントを押さえた一冊です。
微小飛来昆虫の屋内侵入



tojiyan at 07:00|PermalinkComments(0)

September 29, 2017

虫の死骸から湧く虫

お食事中の方は早々にお帰りいただければと思います。

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さて、明け方はすっかり寒くなり、秋の気配が一層濃くなってまいりました。
弊社で飼育していたカブトムシ♀も9月28日という私にとっての最長記録を残して死んでしまいました。
その水槽に今度はサツマゴキブリを移住させようとしたところ、サツマゴキブリも数匹死亡しておりました。

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死骸の表面には肌色の粉が吹いており、そして光に当てるとモゾモゾと動き出しました。
不審に思い顕微鏡で観察すると、多数のコナダニっぽいダニがうごめいていました。

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せっかくなので実験に使おうと思い、他の容器に移そうとしたところ、死骸の傍らで悶えているものが。
肉眼でもはっきりと分かるノミバエの幼虫です。
そういえば最近飼育室にノミバエが多いなぁと思っていたのはこれが原因か。

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ふと、この死骸からどのくらいのノミバエが発生できるのかと思い、死骸を解剖しようとしました。
腹にピンセットを突っ込むと頭の横から押し出されるように幼虫が出てきました。
この時点でもう止めようと思いましたが、腹の一部分だけでも確認しようと意を決し切開。


その切った隙間から2〜3匹、もぞもぞしているのが見えましたので、まぁこんなもんだなと思い作業を終了。
特にクロゴキブリなど大型の害虫は、殺虫した後の死骸処理も大事なのかもしれません。


前田









排水溝などから発生するノミバエ・チョウバエ対策にコバエ用ムース




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September 20, 2017

無理矢理マスター・アリの同定方法

ここ2週間ほどキイロシリアゲアリの女王(羽アリ)が同定依頼の検体としてよく届きます。
去年までは一目でそれと分かったため回答までは早かったのですが、今年はそうもいきません。
なぜなら本種の羽アリがヒアリのソレと良く似ているため、より慎重に同定をする必要があるためです。

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触角の先端が2節膨らんで見える、胸部後方にトゲが無いなどヒアリにもよく似ています。
腹柄も2節ありますのでますます混乱しますが、腹柄の接続位置に注目して見抜きます。
お尻の先を頭上に振り上げることができるシリアゲアリ類は腹柄が腹部の上側に接続されます。

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ちなみにヒアリの女王アリは、真横から見ると腹部の中央に腹部と腹柄の接続部があります。

図3




















これがキイロシリアゲアリ女王の場合、真横から見て腹部の中心を外れ、やや上側に腹柄が接続されます。

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これを少し身近なもので例えてみましょう。
ティッシュペーパーの箱をアリの腹部、私の指を腹柄と考えて下さい。
真横から見て腹柄が腹部の真ん中に接続されているのがヒアリです。

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指もとい腹柄が、ティッシュペーパーもとい腹部の上側に接続されるとキイロシリアゲアリです。

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真上からみたら、ヒアリは多分こんな風になります。

CIMG4550



















キイロシリアゲアリは、真上から見ると腹柄(指)が腹部の上に乗っかって見えます。

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腹部を正面から見れるとしたら、ヒアリはこんな感じ。

CIMG4551



















キイロシリアゲアリは上から吊るすようなイメージ。


何か怒られそうな覚え方ですが、何となく想像がついたという方がおられましたら幸いです。


前田










ヒアリにもお使いいただけます。インパスSC


tojiyan at 06:00|PermalinkComments(0)

September 15, 2017

カップルを作ってください・キイロシリアゲアリ編

先日からキイロシリアゲアリの羽アリが大量に飛んでいます。
こりゃ実験用にえぇわい、と片っ端から捕獲し、生きたまま保存するため冷蔵庫へ送り込みました。

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さて、採集が終わり何匹かピックアップして並べてみると・・・女王アリの他にサイズの違う雄アリが2種類?
なんじゃこりゃ!?
この2種類のうち、どちらががキイロシリアゲアリの雄アリなのでしょうけれど、果たしてどっち?

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そこで、今日の問題は正しい雄アリと女王アリの組み合わせを選べ、なのです。
まずは女王アリを基準にして、体の特徴をおさえていきましょう。
シリアゲアリの仲間であることを生かし、腹柄の数と腹柄の接続位置に着目します。
節の数は2つ、また腹部を頭上に振り上げることができるよう、腹柄は腹部の上側に接続されます。

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次に雄アリの特徴を調べてみましょう。
この小さい方の雄アリは分かりにくいですが腹柄が2つで接続位置も腹部の上側です。
今のところ、こちらが正解っぽいですね。

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ではこちらの羽アリはどうでしょうか?
腹部に注目してみましょう。

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腹柄は1節だけで、接続される位置も腹部を横から見て中央です。
つまり、こっちがはずれでした。
自信はありませんが、何となくオオハリアリの雄ではないかと思います。

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ということで、この組み合わせが正解です。
大人と子供くらいのサイズの違いがありますが、昆虫の世界ではこんな身長差のカップルも珍しくありません。

図1
















そんな話をした後に何ですが、これらの羽アリを用いて行った試験結果をご紹介します。
窓ガラス用殺虫剤PGガードを噴霧したガラス板に1時間接触させた時の殺虫効力がこちら。
だいたい20分くらいから中毒を起こしてひっくり返るものが出始め、1時間もあればばっちり効果が出ます。
もちろん、他の種類の羽アリやコバエ類といった飛翔昆虫にも効果抜群です。
窓ガラスにつく虫でお困りの方はぜひ一度お試しください。


前田



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