同定知識

June 25, 2020

ゴキのアベック

今年入社してくれたぴちぴちの桝井さんがブログを書いてくれることになりました。先日記念すべき第1報が!

ゴキブリ雨あられの洗礼を受けたようです。強く生きて・・・
今後はどんな話題を書いてくれるのか。一般的な話題を提供してくれるのか。例に漏れず(?)マニアックになってしまうのか。お楽しみに!


昨日で6月の基礎ウェビナーが終了しました。3回開催しましたが、毎回40名ほどのご参加を頂きました。ありがとうございます。
チャットでの質問も活発で有意義なセミナーに出来たんじゃないかなと思います。
(大変でしたが...汗)

頂いた質問の中に、ゴキブリのオス・メスの見分け方について、というのがいくつかありました。
P6241020
こちらチャバネゴキブリのオス(左)とメス(右)です。背中側から見ると違いがわかりにくいのですが、オスのほうが細身です。また腹部が長く、翅から先端が見えることもあります。

P6241018
こちら腹側のオス(左)とメス(右)。腹部の先端の形を見ていただくと、オスは細長く先端に行くにつれてとがる様な形をしています。メスの腹部の先端は丸くなっています。
これはクロゴキブリなどでも同じように識別できますので、是非観察してみてください。


■□■ 捕虫紙の虫クイズ! ■□■ 
前回の子はこれ
P5261037
見たい形態がいい具合に見えない。

とはいえ慣れてくるとこの状態でもちゃんと識別できます。
kurobane-wing
見える範囲で翅脈を出してみます。「Yの字」の一部と「H字」 の一部が見えますか?
そうです、この子は「クロバネキノコバエ科」です。過去の記事に詳しく書いていますので、参考にしてみてください!


今回の子はこちら
P6251020
全体的に赤っぽい黄色をしていますね。翅脈は・・・ごちゃついてよくわからん。
考えてみてください!

川竹

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February 27, 2020

すでに春

ライトトラップを常に点灯していると、捕獲される虫で季節の移ろいが感じられます。

P2271004
冬の代表種、トゲハネバエ科。円盤状の触角と、少しくすんだ翅が特徴です。
トゲハネの「トゲ」部分はあまり当てにしない方が良いと思っています。翅にトゲのあるハエって
いっぱいいますし・・・

P2271006
こちらも冬の代表種、ガガンボダマシ科。
以前の記事でガガンボ科とガガンボダマシ科の識別ポイントを書いてますので、こちらも
ご参考にどうぞ!



翅の脈を見ればわかるのですが、写真のように翅を閉じていると識別ポイントが見えず難しいです。
慣れてくればわかるようになりますが、この写真ではギリギリ識別ポイントが見えました。

騙しポイント
ここ!根本のここの脈がベキッと折れ曲がっていればガガンボダマシの可能性大です。

P2270998

P2270999
続いてこの子。ちょっと上級者向けです、これがわかったらカッコイイ!(?)
こちらカバエ科です。蚊なのかハエなのか良くわからない名前ですが、一昔前はハエカ科という
名前でした。蚊のようなハエなのか、ハエのような蚊なのか、気になって眠れません!

カバエの代表種がマダラカバエだと思いますが(それしか知らない。。)、彼らが見られるのが
3月頃。防虫業者さんは1ヶ月に1度捕虫紙を交換して捕獲数を数えることが多いため、カバエがついた捕虫紙を検定するのは4月頃になることも。この虫が捕獲されると、春だなあ、という気分に
なります。

ほぼワンシーズンのみ見られるハエですので、忘れた頃にやってくる。お絵かきして
しっかり覚えましょう!

カバエイラスト
こんな感じ?脈の形よりも、模様で覚えてしまって良いと思います。
やはり一度絵で描くと記憶にも残りやすいので、新人教育にも是非取り入れてみてください!
新人じゃない人でもLet's Try!


3月のレベルアップセミナー開催予定です。ぜひご参加ください!


川竹

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December 20, 2019

このハエ何バエ気になるハエ

いつも通っているカラオケボックスがついに、受付までタッチパネルの自動化になりまして、
ますます「ヒトカラユーザーフレンドリー」になったことに感動している川竹です。


師走です、忙しいです!オフィスの中でのお仕事もさることながら、今月は基礎セミナーで登壇
したり、お客様のもとへお伺いしたりで充実した毎日です。

東京の基礎セミナーが終わり、営業の藤井さんと同行してお客様のもとへ車で移動していた
ときのこと。自分は助手席だったのですが、ふとフロントガラスにハエを発見。
さっそくカバンからプラスチックチューブを取り出して捕獲です。
藤井さんはノーリアクションでした。


PC190941
捕獲したのはこんなハエ。地面がキラキラしているのは「インスタバエ」を狙ったからです!
インスタグラムやってないケド。
さて皆さんこのハエ何かわかりますか?
翅脈から判断して「ハモグリバエ科」です。ライトトラップでもたまーに捕まりますが、同定しよう!
と思わないとなかなか覚えられないマイナーグループかもしれません。

ハモグリウィング
翅脈をイラスト化してみました。明らかにわかる部分だけ書いてます。
線画にすると印象が変わってしまいますが、番号1,2,3がついた3つの脈が太く、翅の上側に詰まって
配置されている印象を受けたら、かなりの確率でハモグリバエです。
あと翅の幅がやや広い印象もあります。
・・・と言ってもなかなか伝わりづらいと思います。ハエは難しいですね。

ちなみに家で論文を観ながら分からないなりに同定してみました。
属や種まで落とそうと思うと、背中の毛の様子や、顔面の毛の倒れている方向まで見ないと
いけませんでした。大変だ!でもそれが楽しいんです。


地面にもぐるアイツには、JJボアをお試しください!「イノシシ・モグラ用忌避剤JJボア」





川竹

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September 13, 2019

ベッドバグ!

 朝起きると体がかゆい、壁に赤黒いポツポツとしたシミができている。もしかしてトコジラミ?

先日お客様からトコジラミの検体を頂きました。

P9130129
胸部に張り出したウチワと、腹部の付け根にある申し訳程度の翅の痕が特徴的です。

P9130129 (2)
顔拡大。全身を毛が覆っています。胸部のウチワが広く張り出し、毛が垂直ではなく後方に
ながれていれば、トコジラミCimex lectulariusの可能性が高いです。
最近ではネッタイトコジラミも出てきているようで、ネッタイの方はウチワがやや小さく
毛が垂直に伸びるのが特徴です。

P9130111
トコジラミの交尾は、オスがメスの脇腹に生殖器をブスリと刺すことで成立します。痛そう...

Traumatic_insemination_1_edit1
Wikimediaより

トコジラミは潜伏能力が高く、プロの目をもってしても中々探しきれないため厄介な虫です。
対処法としては、

薬剤散布:トコジラミは衛生害虫のため、対象種にトコジラミと書かれた薬剤のみ使用可能です。
薬剤はサフロチンMCがオススメ。MC=マイクロカプセルが薬剤の持続性を長持ちさせ、
しつこいトコジラミを確実に駆除していきます。

トラップ:設置場所にセンスが要るので、結果が出ないことも多いトラップ。できるだけ効果の高い
トラップを設置して確実な駆除を!


「BBトラップクリア」の紹介記事です。
トコジラミの生態や行動を考えて設計されています。

凍殺

「クライオナイト」で狭い隙間に潜り込んだトコジラミも凍らせてしまいましょう。
シミなど痕残りも少なく施工できます。


施工の後は、現場のトコジラミを持ち帰らないように最新の注意を払いましょう。
電車やその日のホテルなどにトコジラミを置いていくと、さらに被害を広げてしまうことになります。
トコジラミを気にして電車に乗りたくない!><


川竹

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April 26, 2019

みたことあるけどよく分からないハエたち

捕虫紙を見ていると、「こいつよく見るけど何バエかわからんわあ」
という気持ちになることありませんか?

例えばこれ
P4230243
この春先から増えてくる「オドリバエ」です。

特徴は
P4230248
口が尖っている、触角が「丸書いてチョン」タイプ

P4230247
種によっては、前脚が不思議な形に発達しているものも多いです。
まさしくサイコガン。それはまぎれもなくヤツ(オドリバエ)さ

オドリバエは捕食性のハエのため、獲物を逃さないように前脚が進化しているのですね。
捕まえた虫にクチバシを突き刺して中身を食べます。
シロアリモドキは肥大化した手から糸を出しますが、サイコガンというよりはスパイダーマン。


もうひとつ、よりマニアックなハエ。
P4230250
イエバエ?トゲハネバエ??いいえ、おそらくシマバエと思われます。(違ったらご指摘ください)
ショウジョウバエにそっくりなものから、イエバエのようなものまで形態の幅が広いため、
一概に”こういうのがシマバエですよー”と言えない憎いハエ。

kawatake
大きな特徴に「単眼後刺毛が収斂する」ことです。なんのこっちゃ!
図1
ハエは大きな複眼と、額にいくつか単眼を持ちます(持たないものもいる)。
単眼の後ろ側、胴体につながる頭のくびれの縁にあたる部分から1対の毛が生えていますが、
多くのハエは毛の先が互いに離れています。
一方シマバエではこの毛が互いに近づき、クロスすることもあります。
図は顔を正面から見たイメージです。

シマバエ脚
もうひとつ、似た姿のヒロクチバエとの区別のために「脛節の背面亜端刺毛」を確認します。
気が遠くなりそうな文字列ですが、脛部分の先っちょに目立つ毛がありますか?という意味です。
今回は後脚にそれっぽいのがあったので、シマバエ科に落ちました。


結局、この虫がどこから侵入したのか、屋内で発生するのかを知るのが重要になるのですが、
それを調べるためにはどうしても虫の名前を調べる必要があります。

弊社でも主要な飛翔性昆虫の同定セミナーを不定期に実施致しますので、
興味ございましたらご連絡ください。


川竹

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April 08, 2019

クロバネ?タマバエ?どっち?

春といえば、そうハエの季節ですね。
ちなみに夏も秋も冬もハエの季節です。

先日オフィスの窓際にてコバエを見つけました。
体長2.5mmほど。

P4040014
みなさん、何バエかお分かりでしょうか。インスタばえ?
多分アレだろうなとは思うけれど、ちゃんと見てみましょう。

P4040025
顔です。触角は数珠状ですね。頭はボールのように丸く、ほとんどが複眼で覆われています。
いったいどんな世界が見えていたのでしょう。


P4040021
翅脈観察。薄くてわかりにくいので、、

wing

お絵かきしました。脈の観察はハエを同定する上で避けては通れないもの。
逆に言えば、(科レベルなら)翅があればだいたいわかる!(強気)
翅脈には名前が付いていて、一番外側はC脈、次いでR脈、M脈・・・という呼び名です。
ちょっと前の資料では肘脈とか臀脈・・・なんて呼ばれ方もあります。
上の図ですが、なんとなくで名前をつけているので当てにしないでください。。
(一応、有名な書籍である”Manual of Nearactic Diptera”を参考にしています。)
ここまでやるのは余程のマニアなので、あくまでも参考程度に。

この翅脈を見ると、M1とM2が”Yの字”になっています。
ここがYなら、、「クロバネキノコバエ!
と条件反射で思ってしまいがちですが、
クロバネキノコバエの翅脈はこちら
IMGP9759

IMGP9765
どこが違うねん、と言われそうですが、

kurobane-wing

青のY字はタマバエにもありました。
一方で黄色のH字も特徴的です。
クロバネキノコバエはこのH字の下、赤いラインで示した部分がキレイに一直線になっているという
特徴があります。

tamabae-wing
今回のハエのH字、見事にひしゃげています。言われないとわからないようなH字ですね。
このハエはクロバネキノコバエではなく、「タマバエ」という結論になりました。


300px-Cecidomyiinae_wing_veins.svg
参考に、別のタマバエの翅脈です。
タマバエにはM脈(Y字のやつ)のあるタイプと無いタイプがあり、無いタイプの方がザ・タマバエ
という感じでわかりやすいです。
300px-Lestremiini_wing_veins.svg
これもタマバエ。M脈あるタイプです。
この翅からはクロバネキノコバエで見た”H字”がわかりません。
脈をたどればちゃんとあるのですが、ひしゃげてしまっています。

専門用語マシマシになってしまいましたが、とにかくY字があっても油断するべからず。
ちゃんとH字もあるか観察しよう!という結論です。

もちろん他にも
- 単眼があるか:ザ・タマバエ翅脈は単眼ない。M脈あるタマバエ翅脈には単眼有る
- 足先の節の長さはどうか
- 脚のトゲがあるか
といった情報を組み合わせて同定する必要があります。


M脈の無いザ・タマバエは植物体に虫こぶを作って寄生生活をします。
一方M脈のあるクロバネキノコバエ似のタマバエは、幼虫が土中の菌類や腐敗植物質を食べます。
生態までクロバネキノコバエに似ているのですね。
(”屋内害虫の同定法 (2)双翅目の科の検索表” 田中2000より)←めちゃ役に立ちます。
グーグルで調べるとダウンロードできますので、ぜひ。


川竹

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September 19, 2018

ヒアリじゃないアリ

久しぶりの登板となります、前田です。
レギュラーの座は既に川竹君・伊藤君へ譲っておりますが、今後もたまに守備固め程度に出てきます。

P9130662



















ところで今回の話題はこちら、秋の風物詩とも言えるキイロシリアゲアリの羽アリです。
世間的には数年前まで「灯りの下や窓周りの壁にたくさん飛んで来る変な虫」程度の認識でした。
それが最近では「ヒアリじゃないの?」という不安を煽る存在に変わりつつあります。
そこで今回はヒアリ・キイロシリアゲアリの(女王アリ同士の)簡単な見抜き方についてご紹介します。


【見るべきところ】
P9130634



















専門的に見れば色々とチェックすべきポイントがありますが、今回は簡易に同定できる部分に絞り込みます。
そしてその注目すべきところとは腹柄と呼ばれる胸部と腹部をつなぐパーツです。
上に掲載したキイロシリアゲアリ羽アリ(女王)の写真では青丸部ですが、ここを見ながら進めていきます。

P9150836



















これはキイロシリアゲアリを真上から撮影した写真で、青い矢印で示しているのは腹柄と腹部の繋ぎ目です。
ご覧の通り上から見ると腹柄が腹部の上に乗っかっているように見えます。

P9150824



















それを今度は横から見ると、こんな感じになります。
このように「腹柄と腹部の繋ぎ目」は腹部の真ん中ではなく、かなり上側に来ています。
写真に補助線を引いておりますが、「胸部と腹柄の繋ぎ目」から見ても上側へと外れます。

図2



















参考にヒアリの写真を掲載しますが、ヒアリの場合は腹部の真ん中あたりに繋ぎ目がきます。
キイロシリアゲアリのようにかなり上の方にくることがありません。
このように(羽アリが)手早くヒアリかキイロシリアゲアリか判断したい場合は腹柄の位置を見るのも手です。

【余談:繋ぎ目が上側にあるために出来る芸当】
IMGP4752



















上の写真は私のピンセットに反撃を試みる女王アリですが、ご覧のように腹部がかなり曲がります。
極端な言い方をすると腹柄が腹部を上から掴みあげている感じなので、上へ振り上げることができるのです。
なんかサソリのようで凶悪な印象を受けますが、よほどいじめない限り刺されるなどの被害は無いと思います。

【余談:セミナーの御案内】
ところでヒアリと言えば「殺人アリ」との見出しで連日報道されていた時期が懐かしいです。
そして他にもアルゼンチンアリ、セアカゴケグモなど忘れ去られそうになっている外来生物は数知れず。
加えてヒトスジシマカが媒介するデング熱の話など、「今は果たしてどうなった?」という案件も多いです。

そこで今回は関東エリアセミナーにて、外来生物のお話も含めたセミナーを開催します。
埼玉県での開催となり日にちも9月21日と迫って来ておりますが、まだ参加申込みを受け付けております。
当日の飛び込み参加も大歓迎ですので、興味があれば是非お越しいただければと思います。

環境機器(株)主催 関東エリアセミナー(埼玉会場)



【余談:過去の記事】
過去にもキイロシリアゲアリに関する記事も掲載しております。
なんか適当過ぎて怒られそうなヒアリとの区別方法を記載した記事もありますが、よろしければご覧ください。

・カップルを作ってください・キイロシリアゲアリ編
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-09-15.html
・針のついた羽アリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-09-09.html
・秋の黄色いアリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2016-09-14.html
・キイロシリアゲアリの羽アリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2015-09-10.html
・刺すアリ
http://blog.mushi-taiji.com/archives/2013-09.html

前田


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August 20, 2018

さなぎのなかみ

ノミバエ製造工場が勝手にできあがり、資料や実験に役立っています。
今日もたくさんの蛹が捕れました。


P8200696
こちらがノミバエの蛹。ツノが1対あるのが特徴的で、簡単に判別できると思います。


P8200698
横からみた図。左側が接着面で、壁などにくっついて蛹になります。
すでに羽化直前の様子で、上に目が、その下に脚らしきシルエットがみえます。

P8200700
蛹をピンセットでつまんだところ、節に沿った割れ目が簡単に入ってしまいました。
ノミバエくんごめんね!と思いながら、ついでに解剖開始。
針で殻を取り除く際、ツノのある節が縦に割れました。
ツノが生えているのは肩あたりでしょうか。

イエバエなどは額嚢(がくのう)と呼ばれるフクロを額から膨らませて蛹の殻を破ります。
一方ノミバエは額嚢が無い比較的原始的なハエであり、額嚢を使わない分
殻が非常に破れやすい構造になっていると考えられます。


P8200704
全部出てもらいました。もうほぼほぼノミバエです。
翅はまだ小さくしぼんでいます。羽化後に体液を通すことで、翅を広げます。
特徴的な後脚もコンパクトに畳まれていますね。

タイミングが合えば羽化動画を撮りたいと思っています。はたして成功なるか!


成虫も幼虫も駆除できるのでおすすめの逸品「ファーストキルN


川竹

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August 02, 2018

めざせコバエマスター!

前回ノミバエが大量発生!という記事を書きましたが、もう一つワンサカ湧き出している虫が居ます。

P8020685
うーん、黒いハエ!(同定終了)


・・・では開発部の名が泣いてしまいます。
皆さんは何のハエかわかりますか?
■触角
太い棍棒状(もうこれだけで分かりますが)

■翅
翅脈はよく見えないけれど、上端に黒い筋が目立つぞ

■体
ノミのように縦に扁平
(脱線)扁平な虫は寄生生活をするのが多いという噂が。はたして。

■脚部
特別長くない、目立った節は見られない

などなど、虫の同定には様々な形態的な特長を照らし合わせる必要があります。
ツノが生えてるからカブトムシ!のように単純に言えたらどれだけ楽なことか。
写真の虫は「ニセケバエ科の一種」になります。
PCOとしては是非とも知っておきたいベーシックなコバエですね。

実はこのニセケバエ、皆知っているある場所から大量発生したものなのです。
僕自身とてもビックリしたある場所とは・・・??
8月の基礎セミナー「コバエ類の同定」で発表いたします!
無料セミナーですので、是非ご参加ください!受付はこちら


さて、虫を覚えるときにオススメなのが、お絵かき。
手を動かして、イメージで覚えて脳に虫のシルエットを焼き付けましょう!

180802ニセケバエスケッチ
こんな感じ?細かな特長も、お絵かきで意外と覚えることができます。
コバエマスターになって一目置かれる存在になりましょう!
(はまりすぎると距離を置かれる存在になっちゃう^ヮ^)

川竹

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May 01, 2018

騙し騙されガガンボ

連休は実家の名古屋に帰省してのんびりしていました。
虫屋さんなので「キセイ」って打つと「寄生」が一番に出ます。


さて、「こんな虫がいたよー」と教えてもらった下の子。みなさん何の虫かわかりますか?
IMG_20180501_101733

まず翅が2枚、平均棍(翅の下側にある、先端が膨らんだ小さな棒)が2本なので、ハエ(双翅目)の仲間です。
双翅目は触角の節がたくさんあるか、少ないかでグループが分かれるのですが、いわゆるハエっぽいか、蚊っぽいかの違いです。この子は糸状の触角なので長角亜目(蚊っぽいグループ)です。
あとは翅の脈に中室があったり、異様に脚が長かったりする点などなど・・から
ガガンボ科
です。
ガガンボは大きく目立つ種も多く、この写真の子は脚を伸ばすと手のひらサイズ以上になります。
時に「吸血するのでは!?」と恐れられたりしますが、血は吸いません。
何も食べないか、水や花の蜜をエサにしているようです。

ヒトへの被害はほぼありませんが、強いて言えば体が非常に脆いために折れた足先などが異物として製品に混入してしまう危険性があげられます。
ガガンボの標本づくりは難しく、慎重に作っていてもすぐに脚がポロポロと取れてしまいます。脚が長いので標本箱のスペースも取りますし、あまり気乗りのしない虫です。

現場レベルでは足の長い蚊っぽい虫を見たら「ガガンボですね」でおわりですが、ガガンボっぽい虫には実は様々な「科」が含まれるので、安易に「ガガンボ科」と言えないのがコワイところ。
僕も詳しくないので割愛しまくりますが、冬場によく見られる「ガガンボダマシ科」を紹介します。

ガガンボダマシ

捕虫紙に捕まったガガンボダマシ。見た目はTHEガガンボですね。

ガガンボダマシ翅
前翅を拡大。翅の脈は虫の分類を知るための情報が詰まっています。
ガガンボダマシとガガンボを分けるのは、赤い矢印の脈「臀脈でんみゃく」です。
脈にもそれぞれ名前が付いているのです!ひええ
この脈が写真のように折れ曲がっていたらガガンボダマシ、まっすぐ伸びるようであればガガンボ!
…と思っていただければ大丈夫です。

ちなみに「ガガンボモドキ」という虫も存在するので、たまにごっちゃになる時があります。
ガガンボモドキはハエではなくシリアゲムシの仲間。
遺伝的に遠い虫が同じ様な形になるのはとても興味深いですね!

今日から使える虫トリビア、飲み会の席などでぜひご披露ください。
(何言ってんだこいつ、という目で見られます)

川竹

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