同定知識

August 08, 2017

ヒアリじゃないアリ

先日、お客様から検体が届きました。

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オレンジ色をした羽アリです。
体長は3ミリほど。

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お尻の先には針のようなものがありますので、噂のヒアリではないかと心配にもなります。

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しかし、ヒアリであれば胸部と腹部を繋ぐ腹柄が2つあります。
検体はソレが1つしかありませんので、この時点でヒアリの可能性を切ることができます。
おそらくですが検体はハリアリの仲間でしょう。


怪しいと思ったら、まず腹柄の数(ヒアリは2つ)と胸部後方のトゲの有無(ヒアリはトゲ無し)を見ましょう。


前田











床の隙間から羽アリばかり出て来て働きアリが出てこない・・・ベイト(毒餌)をどこに置けばいいか分からない。
そんな時は、インパスSC(200倍希釈)を隙間へ注入施工してみましょう。



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August 06, 2017

笑ってはいけない・同定業務編

大事だけれど割と単調な同定業務、2時間も作業机に座っているとだんだん飽きてきます。
勤務中はまだしも休日の朝みたいな時間外であれば、たまに音楽を聞きながらでもいいのでは、と思います。
そしてそんな緩み切った態度が思わぬ悲劇を招きます。

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You Tubeでお笑いを聞きながら、足立さんから届いたこまか〜い検体を検定中に吹き出したところ・・・
前田、アウト〜〜〜ッ!




無事全て回収してことなきを得ましたが、くしゃみとか咳とかにも気をつけて下さいね・・・。


前田













細かな粉じんもシャットアウト!N95マスク
ベルトを緩めたり締めたりしてしっかりフィットさせることができます。


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July 18, 2017

クロアリの同定

お客様から同定依頼のあったクロアリ。

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写真の1目盛は1mmなので、検体は7mm近くあります。
ヤマアリ類などの大型種と思いがちです。

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そんな時はまず胸部と腹部をつなぐ腹柄を見てみましょう。
種類により腹柄が1つなのか2つなのかに分かれますが、ヤマアリ類は1つだけ。
写真では2つ確認できますので、この時点でヤマアリ類の可能性を切ることができます。

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あと、胸部の側面に翅を切り落としたような痕がありますので、この時点で女王アリの羽アリを疑います。
体長2〜3mmの種でも女王はかなり大きくなるので、ケアリなどの小型種も候補に入れることができます。

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胸部の後方に1対2本の小さなトゲがあり、また頭部には顔を縦に走る皺模様があります。
このことより絶対の自信はありませんが、おそらくトビイロシワアリと考えられました。
庭でよく見かける種類ですので、特別驚くことはありません。


前田







試してみた結果、よく食べました。庭先にでるトビイロシワアリにジェラニモアントベイト


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July 02, 2017

乾燥ナメクジ

また後日ご報告したいと思いますが、前回ご紹介した蚊捕獲器BGセンチネル2のデータがかなり集まりました。
(新商品・蚊専用の捕獲器 http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-02-21.html
蚊以外にも様々な飛翔性昆虫が捕獲されますので、検定後は冗談抜きで飛蚊症になるのでは、と思います。

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ところで飛翔性昆虫に紛れて混入していたこの物体。
タイトルにもある通りナメクジが数匹紛れ込んでいました。
恐らくたまたま侵入したものが脱出できずにそのまま死亡したのでしょう。

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たぶん出番はないと思いますが、万が一の時のために写真を残しておきましょう。
頭を右下にした状態で撮影していますが、真ん中あたりに特徴的な黒い筋模様が見えます。

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萎びているため表面は縦方向に皺がたくさん走っています。
昆虫のように触角が無い、足が無い、気門らしき穴もない、体毛すら無いというのが特徴かと思います。
梅雨の時期はお問い合わせが多くなりますので念のため。


前田










そんなことよりも、さっさと駆除したいという場合はコレ。
置くだけ簡単、ナメクジカダン(家の周りや玄関などに使用)
撒くだけ簡単、ナメトール(農薬なので畑地の周などに使用)


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June 14, 2017

テントウムシの爪

とある試験に巻き込まれて死んでいたテントウムシの幼虫。

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私は単に同定検査しただけなので、祟るなら担当者の方にお願いしますね・・・。

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ところでこれはテントウムシ幼虫の脚の先で、短い爪が1本出ているだけです。
これだけでは決め手になりませんが、ぺしゃんこの検体を同定する時の手掛かりの一つにはなるかも・・・。


前田










テントウムシに任せるよりも効果的。アブラムシ対策にHJブルースカイ粒状


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June 13, 2017

サツマゴキブリの糞

飼育中のサツマゴキブリの水槽から採取しました。

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サツマゴキブリ幼虫の糞。
クロゴキブリやチャバネゴキブリとはちょっと違う砂粒のような感じです。
覚えていてもあまり出番はなさそうですが、それでも万一のためサンプルは残しておきましょう。


前田











クロゴキブリ対策にゴキブリキャップ


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June 10, 2017

同定中のメンタルコントロール

自信を持って投げた決め球が納得のいかない判定で四球、そこから精彩を欠いて連打を浴びる・・・。
プロ野球でたまに見る光景ですが、冷静にとまで言わなくとも逆上しないことの大切さを痛感する瞬間です。
そして同定業務にも平常心が求められる場面が多々あります。

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中でも訳の分からない検体を同定する場合、かなり集中力を要するので作業が長引くとピリピリしがちです。
特にきちんと検索表で調べたにも関わらず一向に出口が見えない場合は不満もピークに達します。
そんな時にふとつく「ため息」が非常に怖いのです。

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コバエ類などの小さな検体は、下手をすると普段の鼻息ですら簡単に飛ばされてしまいます。
そんな時、自分の鼻息は一体何ヘクトパスカルなのだろうと、メンタルを深くえぐられます。
その話は脇におくとして、ため息ひとつでも検体によっては遠く遠くへと吹っ飛んでしまいます。

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また、些細なことで吹き飛ぶくらいの検体ですから、サイズも非常に小さいと思います。
机の下に落ちたり物の隙間に入ったりすると、探し出すのは至難の業です。
疲労の色が濃い場面で、小さなものを血眼で探すという悪循環、まさにもう大量失点です。

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これを避けるには、作業机からいったん離れるなどの間を取るのが一番だと思います。
野球でいえば、打者が一度タイムをとって、投手の方を睨みながら頭の中を整理するあのイメージです。
コーヒーで一服する、ストレッチするなど気持ちを切り替えるルーティンを決めておくのもよいと思います。


前田



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May 27, 2017

同定中の検体管理

もうすぐ上半期が終わろうとしておりまして、今から夏の計画を立て始めている方もいらっしゃるかと思います。
寄せては返す波の音、かまびすしい海鳥の声、夕日に染まる渚、蚊取り線香の香り漂う民宿の夜。
その窓辺から見上げた夜空に散らばる星の瞬きにも似て、捕虫紙に今日もたくさんの虫が捕獲されています。

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夏の残像を引き連れて波のように押し寄せる虫を前に、顕微鏡を眺める視線はなぜか遠い目に。
テンションは沈む沈む深海へ、目を閉じればユスリカではなくダイオウグソクムシが網膜に映ります。
これを乗り切れば休日という希望がチョウチンアンコウの発する光のように輝いています。

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さて、ここからが今日の本題ですが、このマリンスノーのように積もる検体、皆様ならどう管理されますか?
ピンセットでちょびちょび小分けにしながら同定していけばいいと思います。
でもそこでデスクから鳴り響く内線、作業中なのにちょっと席を外さないといけないこともあると思います。

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そして予想外に長引く会話、涼をとるため開けっ放しの窓、ここから深海6500mに達する悲劇が幕を開けます。
流れ込む気持ちのいい風が、むき出しの検体をきれいに吹き飛ばしてくれます。
なんだか視界が急に真っ暗になり、目の前をダイオウイカが泳いでいきます。

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じゃあ窓を閉めようという結論に至りますが、そんな慢心から思わぬ落とし穴にはまります。
窓を閉めたら暑いので送風を強にしよう・・・エアコンから吹き下ろす風が検体をきれいに吹き飛ばしてくれます。
目の前が暗黒の世界になり、お迎えが来たかのようにリュウグウノツカイが向こうの方から泳いできます。

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検体を損なうことや作業をやり直すことがないよう、せめてカバーくらいはかけておきたいものです。
透明のプラカップでも風から守る役目は果たしますし、周りの人にも検体があることが分かりやすくていいです。
さらに念のため、「検体在中・触れないで」くらいのメモを貼り、意志表示をしておきましょう。


前田










非常によく採れます!ライトトラップ ベクタープラズマ


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May 26, 2017

気が抜けない同定の最後

某日、お客様から届いた検体の同定を担当させていただきました。

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破損が大きかったのですが、胸部の上に黄色い輪のような模様があります。
また胸部中央に翅を切り落としたような痕が4ヶ所ありました。
そのためヤマトシロアリを疑いつつ作業を進めました。

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もしシロアリであるなら、大顎が見つかれば決定的。
しばらくすると片方の顎がありましたが、これでもまだ絶対の自信はありませんのでもう片方の顎も探します。

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かなり離れた位置で見つかったもう片方の顎。
先端に歯が3つあり、さらにそれぞれが同じ大きさという点でようやくヤマトシロアリであると確信できます。
普通ならここで作業は終わりです。

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しかし、それ以上に多く見つかったのがこの細長い破片で、どう見てもシロアリ由来のものではありません。
念のためこちらの同定も行いました。
節の数が極端に少ない点からカメムシ類を想像し、サイズからアブラムシ類の触角や足と推定しました。
そして結局、問題となっていたのはこの細かな破片の持ち主の方で、シロアリはあまり関係なし。
偶然飛来したものが1匹いて、それが紛れ込んだのでしょう。


プロ野球においてピンチでクリーンナップを抑え、直後の下位打線に痛打される場面を目にします。
同定業務も同様に、難しい検体を同定し終わった時に一瞬気が緩み、大事なものを見落とす場合があります。
なかなか難しいですが、最後にもう一度全体を見直すゆとりも大事です。


前田










いろんな徘徊性害虫に効果的です。
外周処理に困ったら、とりあえずサイベーレ0.5SCがお勧めです。



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April 14, 2017

カビから発生する甲虫類

5月になればシロアリの羽アリが群飛し始めるため、本格的なシロアリ駆除のシーズンに突入します。
また、6月頃にはシロアリと並ぶ木材害虫であるヒラタキクイムシの成虫が出現します。
一般家庭の方がちょっとした虫に対しても神経質になられる時期かもしれません。

カドコブホソヒラタムシ表



















その関係で、カビを餌にして発生する食菌性甲虫類についてのお問い合わせを受けることがあります。
特にこのカドコブホソヒラタムシは一見ヒラタキクイムシに見えるため、慌てて相談されることもしばしばです。
見分けるポイントは、体が少し太いことと胸部の先端に丸いコブ状の突起があることです。

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さらに同じ食菌性昆虫であるフタトゲホソヒラタムシもヒラタキクイムシに間違えられることがあります。
本種も胸部の先端が鋭いトゲ状になるという特徴があるため、見分けるのにはさほど苦労しません。
なお、個人的にはカドコブホソヒラタムシに比べ、相談件数は少ない印象があります。

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これが本当のヒラタキクイムシです。
こうして見比べてみると、何となくこちらの方がスマートですね。

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さらにヒラタキクイムシには似ていませんが、カビから発生する甲虫ではヒメマキムシ類も常連です。
体長は1〜2ミリほどと小さく、体色は小豆のような暗い赤色や茶褐色などです。
種によっては前翅に大きな窪みが多数あり、同定の際に参考となります。

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さて、これらの昆虫ですがカビを餌にするだけに湿気がこもりやすい場所でよく見られます。
一般家庭では和室で見られるという声をよく聞きますが、畳の裏や巾木の隙間が発生源として疑われます。
また、建築後しばらくは多湿な状態になるためか新築家屋からの問い合わせも多くあります。


カビをなくせば彼らもいなくなるので対策として換気・乾燥といったカビの生えにくい環境を整えます。
またカビのような黒ずみが見られるところは殺菌剤などを用いて清掃しましょう。
部屋のあちこちに隠れているような気がする場合は燻煙剤を利用して一掃するのも一つの手です。

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とはいえ頻繁に乾燥や清掃ができない畳の裏や、清掃の手が届かない巾木の隙間の奥はどう対処するか?
通常の殺虫剤を噴霧してもよいですが、発生源が残されたままですのでいつか再発を許してしまいます。
ならば発生源を除去できなくても、それを彼らの生息に適さない場所へ変えてしまうというのはどうでしょうか。

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そこで活用したいのが幼虫の脱皮を阻害して駆除するIGR剤をブレンドしたファーストキルシリーズです。
脱皮を阻害する成分なので人畜への影響が極めて低く、また効果が長期間持続します。
これを畳の裏や巾木の隙間に噴霧すれば、発生源が残っていても幼虫は発育できず発生が抑えられます。

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細やかな施工をする場合はファーストキルN(ノーマルタイプのN)が適しています。
また、天井裏などではファーストキルT(トータルリリース=全量噴霧)が使いやすいです。
甲虫ではありませんが、同じくカビから発生するチャタテムシに対しても効果的です。

前田



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