同定知識

September 12, 2017

ヒアリかどうかの判定作業

最近のヒアリ騒動を受けて、弊社にもアリの検体がよく届きます。
肉眼で別種と分かるものや、念のため顕微鏡を用いた確認を要するものなど様々です。
うっかり間違えました、で済まされる相手でないので毎回慎重に進めていかなければなりません。

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真っ先に調べるポイントは触角先端に胸部後方(前伸腹節)、そして胸部と腹部のつなぎ目(腹柄)の3点。
しかし、無傷の検体は珍しく、たいていは原形をとどめている部位からチェックしていきます。
写真は胸部後方を確認中ですが、ヒアリと同様にトゲがありません。

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緊張が走りますが、慌てず他の部位もないか検体が入っていた袋の中をあさりましょう。
頭部が見つかったので確認したところ、先端2節が他の節より大きく発達しているということはありません。
ただ、そこで安心せず時間の許す限り残りのパーツがないか探しましょう。

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そして見つけた腹柄。
節の数が1つしかありませんので、これで駄目押しです。
細かい作業の連続ですが、地道に進めていきましょう。


前田





ヒアリについてもっと詳しく知りたいという方はこちら!
京都大学生存圏研究室主催シンポジウム「ヒアリワークショップ」!!


tojiyan at 08:30|PermalinkComments(0)

September 09, 2017

針のついた羽アリ

先日、検体をチェックしている際に羽アリを発見しました。

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時期的にキイロシリアゲアリと予想しますが、何となく違う気もします。
特徴を確認してみることにしましょう。

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キイロシリアゲアリであれば、胸部と腹部を繋ぐ腹柄が2つですが検体は1つしかありません。
そうなるとキイロシリアゲアリの可能性は消え、また余談ですがヒアリ類の可能性も無くなります。
あと疑うべきはオオハリアリです。

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ハリアリという割に、お尻の先に針がついていないのは、これが雄アリであるため。
本種は雄が黄色、そして雌(ここでは新女王アリ)が黒色という性差が見られます。

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同じ捕虫紙の少し下で見つかった新女王アリはこちら、体色は黒色です。
また、触角も雄が糸状なのに比べ、新女王アリは先端が太い形状の、いわゆるアリタイプの触角を持ちます。

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また、お尻の先を確認すると、確かに針のようなものがのぞいております。
これで人を刺すこともありますが、偶然素肌で触れた時くらいに限定されます。


ただ、夜間に窓ガラスや窓の周り、外灯の周りへこれら羽アリが殺到することがあります。
その時にプスプス刺されたという話は聞いたことがありませんが、不安な場合は対策を取りましょう。
窓ガラスにはPGガードもしくは業務用虫コナーズ スプレータイプなどがお勧めです。
窓周りの壁や外灯周りの壁には即効性に優れ、薬剤のにおいもないサイベーレ0.5SCが適しています。


前田



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September 05, 2017

告知・ヒアリのセミナー

先週をもちまして弊社8月の基礎セミナーは全ての日程を終了いたしました。
お忙しい中ご来場いただきました皆様にこの場をお借りして篤く御礼申し上げます。

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今回のセミナーでは、ヒアリの生態と防除について京都大学のヤンチンチエン先生に御講演をいただきました。
たくさんのお申込があり、やむなく参加人数や会場の調整をお願いさせていただいたお客様もおられました。
大変申し訳ありませんでした、またご協力いただき誠にありがとうございました。

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また、セミナー前にはヤンチンチエン先生から標本をお借りし、写真を撮影させていただきました。
少し脱色して明るいオレンジ色になっておりますが、形態的な特徴はしっかり残されています。
セミナーで解説された特徴について簡単に復習してみましょう。

図3


















まず頭部ですが、触角は先端2節が太く棍棒状に発達しております。

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ついで胸部の後方に目を遣ると、トゲらしき突起物はなくつるんとしています。

図4


















最後に胸部と腹部をつなぐ腹柄をチェック、1節ではなく2節あります。
現場でとっさの判断を迫られることもあるかもしれませんが、これらの特徴をおさえておくと良いと思います。


さて、ここで耳よりのニュースです!10月10日(火)にヒアリ特集のセミナーがございます!!
京都大学生存圏研究所様が主催される特別シンポジウムで、時間は13時から17時半までです。
講演内容はなんと4題、今回弊社セミナーで講師をしていただいたヤンチンチエン先生も講演をされます。

詳細は以下のURLをチェックしていただければと思います。
https://supervolans.wixsite.com/fireantkyoto2017

場所はキャンパスプラザ京都4階第2講義室、JR京都駅から徒歩3分とアクセスも良好!
そして参加費は無料、ですが先着申し込み順で定員は289名、定員になり次第締め切りとなります。
興味のある方、我こそはと思う方は是非ご参加ください!!


前田



tojiyan at 07:00|PermalinkComments(0)

August 08, 2017

ヒアリじゃないアリ

先日、お客様から検体が届きました。

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オレンジ色をした羽アリです。
体長は3ミリほど。

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お尻の先には針のようなものがありますので、噂のヒアリではないかと心配にもなります。

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しかし、ヒアリであれば胸部と腹部を繋ぐ腹柄が2つあります。
検体はソレが1つしかありませんので、この時点でヒアリの可能性を切ることができます。
おそらくですが検体はハリアリの仲間でしょう。


怪しいと思ったら、まず腹柄の数(ヒアリは2つ)と胸部後方のトゲの有無(ヒアリはトゲ無し)を見ましょう。


前田











床の隙間から羽アリばかり出て来て働きアリが出てこない・・・ベイト(毒餌)をどこに置けばいいか分からない。
そんな時は、インパスSC(200倍希釈)を隙間へ注入施工してみましょう。



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August 06, 2017

笑ってはいけない・同定業務編

大事だけれど割と単調な同定業務、2時間も作業机に座っているとだんだん飽きてきます。
勤務中はまだしも休日の朝みたいな時間外であれば、たまに音楽を聞きながらでもいいのでは、と思います。
そしてそんな緩み切った態度が思わぬ悲劇を招きます。

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You Tubeでお笑いを聞きながら、足立さんから届いたこまか〜い検体を検定中に吹き出したところ・・・
前田、アウト〜〜〜ッ!




無事全て回収してことなきを得ましたが、くしゃみとか咳とかにも気をつけて下さいね・・・。


前田













細かな粉じんもシャットアウト!N95マスク
ベルトを緩めたり締めたりしてしっかりフィットさせることができます。


tojiyan at 18:00|PermalinkComments(0)

July 18, 2017

クロアリの同定

お客様から同定依頼のあったクロアリ。

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写真の1目盛は1mmなので、検体は7mm近くあります。
ヤマアリ類などの大型種と思いがちです。

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そんな時はまず胸部と腹部をつなぐ腹柄を見てみましょう。
種類により腹柄が1つなのか2つなのかに分かれますが、ヤマアリ類は1つだけ。
写真では2つ確認できますので、この時点でヤマアリ類の可能性を切ることができます。

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あと、胸部の側面に翅を切り落としたような痕がありますので、この時点で女王アリの羽アリを疑います。
体長2〜3mmの種でも女王はかなり大きくなるので、ケアリなどの小型種も候補に入れることができます。

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胸部の後方に1対2本の小さなトゲがあり、また頭部には顔を縦に走る皺模様があります。
このことより絶対の自信はありませんが、おそらくトビイロシワアリと考えられました。
庭でよく見かける種類ですので、特別驚くことはありません。


前田







試してみた結果、よく食べました。庭先にでるトビイロシワアリにジェラニモアントベイト


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July 02, 2017

乾燥ナメクジ

また後日ご報告したいと思いますが、前回ご紹介した蚊捕獲器BGセンチネル2のデータがかなり集まりました。
(新商品・蚊専用の捕獲器 http://blog.mushi-taiji.com/archives/2017-02-21.html
蚊以外にも様々な飛翔性昆虫が捕獲されますので、検定後は冗談抜きで飛蚊症になるのでは、と思います。

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ところで飛翔性昆虫に紛れて混入していたこの物体。
タイトルにもある通りナメクジが数匹紛れ込んでいました。
恐らくたまたま侵入したものが脱出できずにそのまま死亡したのでしょう。

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たぶん出番はないと思いますが、万が一の時のために写真を残しておきましょう。
頭を右下にした状態で撮影していますが、真ん中あたりに特徴的な黒い筋模様が見えます。

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萎びているため表面は縦方向に皺がたくさん走っています。
昆虫のように触角が無い、足が無い、気門らしき穴もない、体毛すら無いというのが特徴かと思います。
梅雨の時期はお問い合わせが多くなりますので念のため。


前田










そんなことよりも、さっさと駆除したいという場合はコレ。
置くだけ簡単、ナメクジカダン(家の周りや玄関などに使用)
撒くだけ簡単、ナメトール(農薬なので畑地の周などに使用)


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June 14, 2017

テントウムシの爪

とある試験に巻き込まれて死んでいたテントウムシの幼虫。

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私は単に同定検査しただけなので、祟るなら担当者の方にお願いしますね・・・。

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ところでこれはテントウムシ幼虫の脚の先で、短い爪が1本出ているだけです。
これだけでは決め手になりませんが、ぺしゃんこの検体を同定する時の手掛かりの一つにはなるかも・・・。


前田










テントウムシに任せるよりも効果的。アブラムシ対策にHJブルースカイ粒状


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June 13, 2017

サツマゴキブリの糞

飼育中のサツマゴキブリの水槽から採取しました。

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サツマゴキブリ幼虫の糞。
クロゴキブリやチャバネゴキブリとはちょっと違う砂粒のような感じです。
覚えていてもあまり出番はなさそうですが、それでも万一のためサンプルは残しておきましょう。


前田











クロゴキブリ対策にゴキブリキャップ


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June 10, 2017

同定中のメンタルコントロール

自信を持って投げた決め球が納得のいかない判定で四球、そこから精彩を欠いて連打を浴びる・・・。
プロ野球でたまに見る光景ですが、冷静にとまで言わなくとも逆上しないことの大切さを痛感する瞬間です。
そして同定業務にも平常心が求められる場面が多々あります。

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中でも訳の分からない検体を同定する場合、かなり集中力を要するので作業が長引くとピリピリしがちです。
特にきちんと検索表で調べたにも関わらず一向に出口が見えない場合は不満もピークに達します。
そんな時にふとつく「ため息」が非常に怖いのです。

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コバエ類などの小さな検体は、下手をすると普段の鼻息ですら簡単に飛ばされてしまいます。
そんな時、自分の鼻息は一体何ヘクトパスカルなのだろうと、メンタルを深くえぐられます。
その話は脇におくとして、ため息ひとつでも検体によっては遠く遠くへと吹っ飛んでしまいます。

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また、些細なことで吹き飛ぶくらいの検体ですから、サイズも非常に小さいと思います。
机の下に落ちたり物の隙間に入ったりすると、探し出すのは至難の業です。
疲労の色が濃い場面で、小さなものを血眼で探すという悪循環、まさにもう大量失点です。

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これを避けるには、作業机からいったん離れるなどの間を取るのが一番だと思います。
野球でいえば、打者が一度タイムをとって、投手の方を睨みながら頭の中を整理するあのイメージです。
コーヒーで一服する、ストレッチするなど気持ちを切り替えるルーティンを決めておくのもよいと思います。


前田



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