ヤモリ対策

September 26, 2021

ヤモリを救助せよ

このところ、こちらへお邪魔することが多くなりました。旧担当の前田です。
明日からは、年末のご挨拶まで静かにしていれたらと思います。
写真も文章も多いけれど、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。


【誤って捕獲されたヤモリを救助する】

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某日、社内の捕虫器に誤ってヤモリが捕獲されました。前々から捕虫器の周りに
糞が目立っていたから、近くまで来ているのは分かっていたけれど・・・
うん、大きいね。


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ところでこのヤモリ、どうしよう?全身が粘着シートにくっついてしまっている
けれど、時々動く目、膨らんだり引っ込んだりする喉元・・・まだ生きている。
うまく救助できないかな?


▸サラダ油を利用する
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さて、粘着シートから生き物を剥がす、か。小麦粉やサラダ油を使うのが基本。
でも何年か前に小麦粉でやった時、なかなか取れなくて大変な思いをしたから、
今日はサラダ油で試してみようか。
メーカーはどこでもいいから、会社の実験室にあった試験用のものを拝借。
余談が過ぎてしまうけれど、ゴマ油でクマネズミの子供をネズミ捕りから
剥がしたことだってあるから、最悪ソレでもいいかなと思います。


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では、救出作業を開始しようか。まずは粘着シートをなるべく小さくカット。
その方が、後々邪魔にならないからお勧めかな。


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カットした後の様子。頭の左側と左後ろ足の間のスペースも切り取って
しまっていいかもしれない、でも、今回はこれでいこうか。


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あとはプラカップの蓋に置いて、上からサラダ油を垂らすだけ。
でも、実験に使うサラダ油はいつも冷蔵庫で保管されているから
・・・冷たかったかな?
真面目な話、体力を消耗させるかもしれない。常温のものが無難、か。


▸窒息死に注意する

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それと、ここで一つ注意したいこと。それは油、あるいは粘着糊と油が混ざって
ジェル状になったものが鼻や口を覆って窒息死させてしまう恐れがあること。
僕も一度、助けるつもりのハツカネズミの子供をそれで死なせたことがあります。
目の前で悶えて、やがて動かなくなる・・・忘れられる光景ではないから、頭から
尻尾の方へ傾斜をつけるなど、工夫してください。


▸手足や尻尾から取り掛かる

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お話を作業に戻して、僕なりのコツ、僕なりのやり方。それは最初に
手足や尻尾を狙って、時間をかけて剥がすこと。
根拠と言えるようなものは無いけれど、ピンセットで掴みやすいとか、
掴んで左右へゆっくり動かする内にズルッとスライドして取れるとか、
そんなところかなと思います。


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また、手足や尻尾には粘着シートにひっついていない隙間もあるから、
そこへピンセットを差し込んで、皮膚を剥がさないよう注意しながら
上下に動かすと、どうだろう?ゆっくりゆっくり糊が緩んで、やがて
剥がれていってくれる。うん、これが正解かな。


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こうして尻尾を解放。次は、後ろ足かな。


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指の間にピンセットを入れて上下にゆする、骨が折れたりしないように
注意しながら指を掴んでゆっくり剥がす。時間は5分くらいみておいても
いいかなと思います。
それと写真のように脱糞する、頭の自由が利けば噛みついてくることも
当たり前。多分、相手は助けてもらっていることなんか分かってない。
非情だけれど、僕らも認識していないといけないこと。


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さて、後ろ足と尻尾の自由を確保。そろそろ上半身かな。


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前足も、基本は同じ。粘着シートに引っ付いていないところを起点に
ピンセットを差し込んで左右にゆする、上下させるといった作業を
ゆっくり進めて行けば、終わりが見えてくるはず。


▸胴体はピンセットとかで押すような感じ

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さて、最後は粘着シートにしっかりくっついてしまった胴体か。
下手にピンセットで掴んで引っ張ると、皮膚が裂けてしまうかもしれない。
じゃあピンセットの背の部分で、ぐいぐいと押してみるのはどうだろう?


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やってみると、時間はかかるけれど確実にスライドしていく胴体部。
やがて、するりと粘着シートから外れて、その途端にカップの外へと
飛び出したヤモリ。無事、救出完了かな。
あとは、ちり紙を敷いた容器に入れて水を与えて落ち着かせておこうか。
結局、この後に行った夕方の現場が延びてしまって帰社出来なかったから
社内のみんなに外へ釈放してもらったけれど、元気にしているのかなと
思います。


▸昆虫の場合は小麦粉を

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余談が過ぎてしまうけれど・・・昔、ネズミ捕りにかかってしまったヤモリ。
小麦粉の代わりにコーンスターチを使って剥がそうとしたのがこちら。
唐揚げにする前のような姿になってしまったけれど、剥がすことには成功して、
残った糊も脱皮の時に綺麗に取れたから一安心。こんな方法もあるんだって、
何かご参考になれば嬉しいです。


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しかし、昆虫を粘着シートから剥がす時であれば・・・僕なら小麦粉一択。
理由は、昆虫の気門(腹部にある呼吸をするための穴)に油が詰まって
窒息死する確率が高いから。
「小麦粉で虫を粘着シートから剥がす方法」は過去の記事に書かれているから、
ご参考になれば嬉しいです。


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そしてこれは先月の現場で救助したコオロギ。救出直後は小麦粉まみれだから
このまま素揚げにできるかな。・・・そんなコオロギをはじめ、サソリとか
色々な虫の串カツ食レポ
は、川竹君の記事をご覧いただければと思います。


▸虫の駆除もヤモリ対策の一つ

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ところで、気味が悪いといった理由で時々お問い合わせが届くヤモリの対策。
「同じ爬虫類だから」という理由でヘビ用の忌避剤を地面にばら撒くなど、
選択肢は様々。
でも「窓ガラスや外壁に張り付いている」という高所へ出現するケースでは
直下の地面に撒いたとて限界があるし、代わりとなる忌避剤もピンと来ない
・・・うん、難しいね。
でも、出没の理由の一つが「餌となる虫を求めてやってくること」、それと
「餌となる虫が光に集まること」を考えれば、答えが見えるかもしれない。
そもそも今回だって「虫が誘引される捕虫器」の横に来てしまったために
ヤモリが捕獲されたというお話。ここに、ヒントがある気がする。

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それなら「室内の照明を虫が寄り付きにくいものにする」という選択肢もあるし、
または「夜間に窓から漏れる光や、外灯の光に集まる虫を都度駆除する」という
アイデアはどうだろう?
後者の場合、外壁にサイベーレ0.5SC、窓ガラス周りにはサイベーレエアゾール
散布することがお勧め。防虫対策にもなって、いいかなと思います。
もしヤモリで困っている方のご参考になれば、また試しに実践していただいて、
それで良い結果が出たという報告をお聞き出来たら、嬉しいです。



積もる話から長くなってしまいましたが、ようやく筆を置かせていただこうと思います。
また、いつかここでお会いできれば嬉しいです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

前田



tojiyan at 17:30|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック